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メルセデスAMGのEVとアディダスのアスリートがダブル世界記録。ナルドで達成された「クルマと人間」の限界突破劇とは?

メルセデスAMGとアディダス、異業種コラボで「スピード」の限界に挑戦

ハイパフォーマンスカーブランドのメルセデスAMGと、スポーツ用品ブランドであるアディダスが、互いのブランドが共有する「スピード」への飽くなき探求心を核とした、広範囲にわたるパートナーシップを締結したと発表。それぞれの分野で頂点に君臨する両ブランドは、イノベーションを通じてパフォーマンスの限界を押し上げるという共通の目標を掲げ、その記念すべき第一歩としてイタリアの名門サーキット、ナルド・テクニカルセンターを舞台に前代未聞の挑戦を敢行。自動車と人間、双方の領域で世界記録を樹立し世界に衝撃を与えたのである。

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電動コンセプトとアスリートが相次ぎ世界記録を樹立

 

今回のパートナーシップの狼煙を上げたのは、メルセデスAMGが世に送り出したコンセプトカー「CONCEPT AMG GT XX」であった。この1台は、メルセデスAMGが未来に見据える高性能電動アーキテクチャ「AMG.EA」のプレビューを提示する、まさに「走る実験室」だ。パフォーマンスと耐久性に焦点を当てて開発されたこのマシンは、ナルドの高速周回路でバッテリー駆動の電気自動車(BEV)が持つポテンシャルの限界を試すべく、過酷な連続走行に挑んだ。

その結果、実に合計25ものBEVに関する記録を次々と更新したのである。中でも圧巻だったのは、その驚異的な総走行距離だ。わずか7日間と13時間24分7秒という時間で、地球1周にほぼ等しい40,075kmを走破するという、前人未到の記録を打ち立てた。これは、メルセデスAMGが開発を進める次世代電動パワートレインの圧倒的なパフォーマンスだけでなく、極限状況下における信頼性と耐久性の高さを全世界に証明するものであった。

この自動車による歴史的偉業の興奮が冷めやらぬ、わずか数時間後のこと。同じナルドのサーキットで、今度は人間の限界に挑むもうひとつの挑戦が始まった。アディダスが主催したこのユニークなランニングイベントは、「地球最速のアスリートと、スピードを追求した最新イノベーションが融合した時、何が可能になるのか」という壮大なテーマを探求するものであった。

5人のエリートアスリートが挑んだのは、100kmという超長距離走。その中で、南アフリカ出身のランナー、シブシソ・クベカ選手が人類の歴史に新たな1ページを刻んだ。なんと5時間59分20秒というタイムを記録し、史上初めて100km走で6時間の壁を破るという快挙を成し遂げたのである。

この記録達成の裏には、アディダスの最新技術の粋が結集されていた。参加したアスリートたちは、スピードと冷却に関する最新のイノベーションが注ぎ込まれ、個々のランナーに合わせて精密に設計・調整された特注のフットウェアとアパレルを全身にまとっていた。特に、シューズ「adidas Adizero Evo Prime X」は、記録更新に不可欠な役割を果たしたという。

メルセデスAMGによる機械の限界への挑戦と、アディダスがサポートする人間の限界への挑戦。このふたつの記録破りのイベントが間髪入れずに同じ場所で行われたことは、両ブランドのパートナーシップがもたらす強力な相乗効果を何よりも雄弁に物語るものであった。

記録達成を記念したアパレル商品群もリリース

メルセデスAMG GmbHのCEOであり、メルセデス・ベンツ Gクラスおよびメルセデス・マイバッハ事業部門の責任者でもあるミヒャエル・シーベ氏は、「CONCEPT AMG GT XXによる驚異的な記録は世界中の注目を集め、AMGの絶大なパフォーマンス能力を改めて示しました。その数時間後、アディダスのエリートアスリートチームは我々のブランド間の強力なシナジーを明確に示してくれたのです。我々は共に、パフォーマンスの頂点をさらに高いレベルへと引き上げるという、たゆまぬ野心を共有しています」と語り、このコラボレーションへの自信を覗かせた。

一方、アディダスのチーフ・クリエイティブ・オフィサー、アラスデア・ウィリス氏も、「今回の100kmへの挑戦は、イノベーションを通じてスピードの限界を押し上げるという我々の共通の野心の、最初の事例に過ぎません。メルセデスAMGと共に、急進的なイノベーターたちが集結し、テクノロジー、パワー、そして運動能力を通じて歴史を築く時、何が可能になるかを示しているのです」と応じ、今後の展開への期待を表明した。

この歴史的な記録達成を記念し、パートナーシップを象徴する製品群も発表された。まず、革新的な代替レザー素材「LABFIBER Biotech Leather Alternative」を使用した限定スポーツバッグが登場する。この素材は、「CONCEPT AMG GT XX」のシートパッドにも採用されているもので、リサイクルゴムや植物性タンパク質、バイオポリマーから作られており、自動車とアパレルの領域を超えた技術の融合を体現している。

さらに、6種類のランニングシューズからなる限定コレクションも発売される。印象的なブラックとレッドのカラーウェイをまとったコレクションには、レース仕様の「Adizero Adios Pro 4」や、常識を覆す「Adizero Prime X 3 Strung」といったモデルが含まれ、両ブランドのファンにとって垂涎のアイテムとなることは間違いないだろう。

今後もモータースポーツを中心に様々なコラボを予定

このパートナーシップは、今回のような単発のイベントに終わるものではない。両ブランドは長期的な視点に立ち、モータースポーツを中核とした多角的な協業を展開していく計画だ。すでにアディダスは、メルセデスAMGモータースポーツ部門およびそのドライバーたちに包括的な装備を提供しており、2025年のモータースポーツシーズンからはすべてのチームウェアにそのロゴが掲げられるほか、サーキットを駆けるメルセデスAMG GT3パフォーマンス車両のパートナーラインにも不可欠な存在となっている。今後も、トップクラスの世界的なスポーツイベントでの共同活動や、両ブランドの哲学を反映した共同製品の開発などが予定されており、その動向から目が離せない。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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