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新型マツダ「CX-5」、JMS 2025で日本初披露【写真145枚】。“CX-8並み”の後席とパッケージングの劇的進化、魂動デザインの「現在地」を解説

マツダ、新型CX-5と未来示すビジョンモデル2台をジャパンモビリティショー2025で展示

「『走る歓び』は、地球を笑顔にする」。これは、現在開催中のジャパンモビリティショー2025(JMS 2025)におけるマツダの出展テーマだ。マツダは、技術革新が進む2035年を見据え、豊かな地球への貢献と、「クルマが好き」「いつまでも運転を楽しみたい」という人々の能動的な想いに応える世界観をブース全体で表現している。そのブースの主役は、世界初公開となる2台のビジョンモデルと、日本初披露となる新型「CX-5」である。

【画像145枚】後席ひざ元+64mmの衝撃。新型「CX-5」の内外装とビジョンモデル2台を徹底チェック

8年ぶり全面刷新。マツダの「屋台骨」CX-5、目指したのは「日常に寄り添う」価値への深化

CX-5は、2012年の初代登場以来、マツダのグローバルビジネスを牽引してきた基幹車種だ。初代は「SKYACTIV技術」と「魂動デザイン」を全面採用し、2016年の2代目ではその成功を引き継ぎつつ「質」を高め、エレガントで上質なクロスオーバーへと進化した。世界100以上の国と地域で累計450万台以上を販売、まさにマツダの「屋台骨」といえる存在である。

8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型CX-5は、この偉大なブランドを守りながら新世代へと進化させるため、「日々の使い勝手に徹底してこだわり、C-SUVの王道を極め永くお客様に愛される」ことを開発方針に据えた。従来の「より上質、より高級」といった価値観から、「自分らしく、しっかり日常の生活の中で、安心して使えて気持ちがいい」という、日常に寄り添う価値への深化を目指したのである。

その開発コンセプトは、マツダが培ってきた「エモーショナル(魂動デザイン、人馬一体の走り)」と、今回徹底的に追求した「デイリーコンフォート(パッケージ、乗り心地)」、そして「新世代価値(HMI、ADAS)」の3つを、マツダ史上最高の次元でまとめ上げることだった。

後席は「CX-8並み」へ。ホイールベース+115mmがもたらす劇的進化のパッケージング

特に注目すべきは、デザインと相反関係にある「パッケージング」の劇的な進化だ。新型CX-5は、ホイールベースを現行モデルの2700mmに対し、115mmも延長した2815mmとしている。この延長分は、ドライバーズシートとフロントタイヤの間は変えず、そのほぼすべてが後席と荷室の空間拡大に充てられた。

その結果、後席の居住性はクラスの常識を超えるレベルに達した。膝前スペースは実に64mmも拡大。ヘッドルームも29mm拡大しており、従来モデルのユーザーはもちろん、上級車種であるCX-8から乗り換えても遜色ないほどの広さを確保している。

さらに、後席ドアの開口部(シール開口)も約70mm拡大。これにより、乗降時に背をかがめる必要が少なくなり、スムーズな乗り降りが可能となった。子供の乗降性にも配慮し、スカッフプレートの幅を15mm広げて足を置きやすくするなど、細部まで最適化されている。後席足元には、機内持ち込みサイズのキャリーバッグが収まるスペースまで確保された。

荷室も同様に大容量化した。奥行きを45mm延長し、荷室容量は現行の522Lから583Lへと拡大。荷室高も30mm拡大し、スーツケース4個積みに対応する。特筆すべきは、ベビーカーを畳んだ状態で「縦方向」に積載できるようになった点だ。これにより、残りのスペースを買い物袋などの積載に有効活用でき、日常の動線が大きく改善される。さらに、後席を倒した際のフラットな荷室長は190cm弱に達し、身長180cmの大人でも余裕で車中泊が可能な広大な空間が出現する。

コンセプトは「ウェアラブルギア」。広大な空間と「CX-5らしさ」を両立させたデザインの妙

この「愕然とする」ほどのパッケージ要件を受け止めつつ、「CX-5らしさ」をデザインとして昇華させることが、チーフデザイナーの椿 貴紀氏率いるデザインチームの最大の挑戦だった。デザインコンセプトは「ウェアラブルギア」。身にまとうように気軽に乗れ、どこへでも行きたくなるような、ドライバーの背中を押す存在を目指した。都会派という軸足は残しつつも、より行動範囲を広げられる自由自在な雰囲気を取り入れたという。

チームは、シルエットの縦横比をキープしながらボディを慎重に拡大することで、「一目見てCX-5」とわかるアイデンティティを保持。エクステリアは、4本のタイヤとそのスタンスを強調したシンプルな構成をテーマとした。現行モデルでは前後に分かれていたキャラクターラインは、キャビンを包み込む大きなオーバル状の1本に統合。このシンプルな構成により、アウトドアだけでなくフォーマルな場面にも似合う、C-SUV本来の万能性(バーサティリティ)を強調している。

堂々たるフロントフェイスと上質なインテリア。細部に見る「王道」C-SUVのディテール

フロントフェイスは、ボンネット先端を現行比で約50mm高め、CX-60などと並んでも見劣りしない堂々とした厚みを実現。一方、ロアグリルを限界まで下げて幅を伸ばすことで、CX-5らしいワイドでスポーティな表情も両立させた。ランプは、ネコ科の目を思わせるシャープな造形だ。リアは、オーバーハングを変えないままリアトレッドを30mm拡大。タイヤがより外側に張り出すことで、SUVらしい力強いスタンスを表現した。テールランプには、内燃機関モデルとして初めてマツダのワードマークが採用されている。

インテリアは、走る歓びを感じるコックピットと、同乗者がリラックスできる空間の両立が図られた。ドライバー周辺は水平基調の要素で車両姿勢を感じやすくし、インパネ中央から助手席側にかけては水平に繋がる造形で広々とした空間を表現。クローム加飾は大幅に削減され、実際に操作する部分に限定することで、タイムレスな上質感を狙った。

新型CX-5は、基幹車種の王道を極めるべく、デザインとパッケージングという相反する要素をかつてないレベルで両立させた、マツダ渾身の意欲作と言える。JMSの会場でじっくり触れてみることをお勧めしたい。

「走るほどにCO2削減」 ロータリーターボPHEV搭載の「VISION X-COUPE」も世界初公開

JMS 2025のマツダブースでは、この新型CX-5に加え、2035年を見据えた2台のビジョンモデルが世界初公開され、多くの注目を集めている。

1台は「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」。魂動デザインをさらに進化させた流麗なクロスオーバークーペであり、その心臓部には2ローター・ロータリーターボエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムが搭載される。システム出力は510ps、モーターのみで160km、エンジン併用で800kmの航続距離を実現するという。さらに、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料と、マツダ独自のCO2回収技術「Mazda Mobile Carbon Capture」を組み合わせることで、「走るほどに大気中のCO2を削減できる」という、カーボンネガティブの未来像を提示している。

もう1台は「MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)」。こちらは、人の感覚をデジタル化した「人体・感性モデル」と共感型AIを融合させ、人とクルマの絆がさらに深まることを目指したモデルだ。まるで親友のように気取らない会話ができ、行き先を提案してくれるような、心が通ったスマートモビリティの未来像を描いている。

【画像145枚】後席ひざ元+64mmの衝撃。新型「CX-5」の内外装とビジョンモデル2台を徹底チェック

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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