富士スピードウェイ「サーキットライセンス」取得体験リポート
スポーツカーや高性能車を手に入れたなら、「一度は思い切り走らせてみたい」と思うのがクルマ好きの性(さが)。しかし、公道でポテンシャルを解放するのは当然ながら御法度です。そこで今回ご提案したいのが、サーキットでのスポーツ走行です。
モータースポーツを盛り上げ、富士スピードウェイでの走行の魅力をお伝えすべく、わたくし、京谷が実際にサーキットライセンス取得の講習会に参加してきました。ここではその模様と取得方法、安全に走るためのポイントをリポートします!
【画像30枚】座学講習の模様から雨の本コース初走行まで!「富士スピードウェイ」サーキットライセンス取得の全貌を見る
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入場料無料や補償制度も! 講習だけで取得できる「サーキットライセンス」の魅力
読者のみなさんの中にも「いつかサーキットを走ってみたいな〜」と密かに思っている方、いませんか? そんな皆さんの背中を押すべく、サーキット初心者の58歳のオバちゃん(私です!)がスタートしたのが、メディア対抗ロードスター耐久レース参戦企画です。サーキットを走る準備をして、このサーキットライセンスを取得すれば、アナタにもできます! ということをお伝えできればと思っております。
そもそも、「サーキットを走るなんて、A級ライセンスのような本格的な資格や競技用車両が必要なのでは?」とハードルを高く感じている方も多いかもしれません。しかし実は、富士スピードウェイの「サーキットライセンス」さえ取得すれば、普段乗っている愛車で、誰でも安全にサーキット走行を楽しむことができるのです。
富士スピードウェイは1966年に開業し、黎明期の60年代より日本グランプリをはじめ、日本初の24時間レースなど多くのビッグレースを開催。1970年代以降は日本初のF1世界選手権や、世界耐久選手権(WEC)といった国際レースに加え、独自カテゴリーである富士グランチャンピオンシリーズを行うなど、日本を代表する国際サーキットです。
そんな憧れの富士スピードウェイのサーキットライセンスは、所定の講習を受けるだけで取得できるのです。講習会に参加して驚いたのは、ライセンス会員の特典が非常に充実していることです。例えば、入場料はライセンス所有者本人と同乗者1名まで無料になります。さらに、ピットガレージの利用料金が特別価格になるほか、富士スピードウェイ主催のレース観戦券やイベント、レッスンを特別割引で受けられるなど、走るだけでなく滞在自体をお得に楽しめる仕組みが整っています。
もちろん、富士スピードウェイホテルや場内レストラン「クレインボックス」などでの割引もあります。更新手続きも専用サイトから簡単に行え、ここでも割引が適用されるなど、利便性の高さも魅力です。
取得手続きは非常にスムーズで、約1時間半から2時間ほどの講習会を受講するだけです。講習では、安全にスポーツ走行を楽しむための基本ルールが徹底的に解説されます。スポーツ走行は「速く走る」こと以上に「安全に走る」ことが最優先。そのため、各フラッグ(旗)の意味や、コースイン・コースアウトの作法などが詳細に説明されました。
また、万が一クラッシュしてしまった場合の「施設破損補償制度」についても説明がありました。例えばガードレールなどを破損するとそれ相応の修理費がかかりますが、1事故につき免責金のみを支払うのみを支払うことで、残りの修理費を富士スピードウェイが負担してくれるという安心の制度です。初心者だけでなく、ベテランにも心強いサポートと言えるでしょう。
どんな服装やヘルメットが必要? 愛車でサーキットを走るための準備と装備
「どんな装備が必要?」というのも気になるところ。4輪の場合、長袖・長ズボン、履き慣れた運動靴、そして指先が露出しないグローブがあれば走行可能です。ヘルメットは、フルフェイス型またはジェット型(シールド付き)が必須となります。半キャップなどは不可であり、これらは安全を守るための最低限のルールです。とはいえ、万が一クラッシュした際の安全性を高めるため、やはりレーシングスーツや耐火アンダーウエア、HANS(頭頸部保護デバイス)といったレーシングギアを装着することが推奨されています。
車両側も大掛かりな改造は不要です。走行中のペダル操作を妨げないようフロアマットを取り外すことや、タイヤの空気圧調整、オイル漏れがないかの確認が重要です。オイルを撒くと大事故に繋がりかねず、処理のために他の方の走行時間まで削られてしまいます。牽引フックの装着も強く推奨されています。
10月から新区分に! 初心者も安心、自分のペースに合わせて選べる4つの「走行枠」
富士スピードウェイでは、走行ペースに合わせて「走行枠」が細かく分けられています。講習時の9月末までは、ラップタイム2分10秒より速いペースで走る「S4クラス」、2分10秒より遅いペースの「NS4クラス」、さらに初心者向けの「ツーリング」などに分かれていました。
さらに10月1日からは、より安全性を高めるために枠がひとつ増え、「R4」「S4」「N4」「L4」といった新しい枠組みに変更されています。ペースの幅が広かった旧「NS4」クラスを細分化することで、自分のスキルやクルマのポテンシャルに合わせてより適したクラスを選べるようになりました。「周りが速すぎて怖い」といった不安を感じることなく、マイペースでスポーツ走行を満喫できる環境が整っています。
講習終了後には、先導車についてコースを2~3周する体験走行に参加しました。レーシングシミュレーターで走っていた感覚よりも「なんか広い!」というのが第一印象でした。もちろん、レーシングコースのほかに、ショートコースやドリフトパーク、カート&モトパークなど、富士スピードウェイでは様々なコースと、車両やレベルに合わせた細かな走行区分が用意されているので、ご自分のレベルや車両に合わせた走行枠をチェックしてください。
今回の講習を通じて改めて感じたのは、富士スピードウェイが「誰もが安全にモータースポーツを楽しめる環境」を真剣に提供してくれているということです。
とはいえ、私のような初心者や「いきなり本コースを走るのはちょっと怖い!」という方には、豊富に用意されているレッスンプログラムから始めるのをおすすめします。私自身、まずは広場トレーニングで“基本のき”を学び、レーシングシミュレーターで富士スピードウェイのライン取りをマスターしてから本コースに挑みました。この連載でもすでにお伝えしていますが、いまどきレーシングシミュレーターがあるのになぜやらない! と思います。段階を踏むことで、より安全に、そして心からサーキット走行を楽しめるはずです。
【サーキットライセンス講習(4輪・2輪共通)】
■体験内容
ライセンス講習(座学および体験走行)
所要時間 約2.5時間(受付・準備時間を含む)
開催日時 毎月開催※日程はホームページのスポーツ走行予定表を確認
開催場所 受付:Bパドック1F コントロールセンター
講習:Aパドック ブリーフィングルーム
取得費用 49,000円(入会金:15,000円、年会費:34,000円)
富士スピードウェイ 入場料金 大人1,200円/高校生900円/中学生以下無料
ライセンス取得完了、いざ雨のレーシングコースへ! “メデ耐”に向けた最終仕上げ
そして、いよいよ本コースデビューの日です。砂子塾での広場トレーニング、東京バーチャルサーキット(TVC)での練習を重ね、本コースを走っても大丈夫……と、砂子塾長にお墨付きをいただき、いざ本コースへ。以前、体験走行したとはいえ、世界選手権も開催されるレーシングコースですから、緊張感がハンパないです(笑)。もちろん、初心者なので走行当時は「T-4(ツーリング)」枠です。現在は「L4」クラスという走行枠に変わっており、最高速度は180km/h以下、2分20秒より遅いタイム、軽自動車(K4GP含む)もこのクラスのみとなります。
砂子塾の参加者ナカジマさんが撮影してくれた1コーナーの進入動画。ビビッてます(笑)。
当日は、トヨタGRヤリスで走行デビューです。雨模様のため空気圧は高めにセッティング。いきなりの雨でしたが、GRヤリスはスポーツ走行を堪能できる装備が充実しており、なんといってもトヨタ独自開発のスポーツ4WDを継承するGR-FOURを搭載。あらゆる路面状況において4輪へのトルク配分を即座に制御してくれるという機能のおかげで、4輪で路面をしっかりグリップしてくれている感があって、どれだけ安心できたことか! GRヤリスありがとう! しかも雨のサーキットを安心度の高い4WDで体験できたのは大きな経験となりました。
その後も、ロードスターでスポーツ走行を重ね、ショートコースでは、モータージャーナリストの佐藤久実さんがマンツーマンレッスンに付き合ってくださいました。その結果、念願のメディア対抗ロードスター耐久レースにも安心して参加できたというわけです。
「サーキットライセンス」さえ取得すれば、そこはもう非日常の夢のステージ。適切な装備とルールを守る心さえあれば、公道では決して味わえないクルマの真のパフォーマンスを安全に引き出すことができます。ぜひ皆さんも、富士スピードウェイのサーキットライセンスを取得して、愛車との対話を深める素晴らしい体験をしてみてはいかがでしょうか?
私、京谷もこれからサーキットに通い詰め、モータースポーツライフを楽しみたいと思います! それではまたサーキットでお会いしましょう!
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