海外試乗

ランボルギーニ・アヴェンタドール LP750-4 SVにサーキット試乗!/後編

それは凶暴で従順なモンスター

 長いことで知られるカタルーニャのホームストレートを250㎞/h強で駆け抜け、迫る右コーナーを前にフルブレーキング。標準装備となるカーボンセラミックブレーキはタッチも効きも絶品だ。ストッピングパワーをペダルを戻しつつコントロールしながらステアリングを切り込んで行く。すると……コーナーでの身のこなしが明らかにシャープになっている!

 ノーマルはもう少し背後の重量物(=V12エンジン)を意識させるハンドリングで、「踏んでアンダー、抜いてオーバー」と、挙動の変化も結構シビアに顕れるのだが、SVは後半のタイトコーナーで右へ左へ舞わせてもイナーシャが残らず、その動きは完全にひとまわり、いやふたまわりほどコンパクトなスポーツカーを駆っているかのよう。その一方で中~高速域の安定感は抜群。今回リアスポイラーの角度は「中」にセットされていたが、プレゼンテーションで示された額面通りのダウンフォースが得られているだろうことは容易に想像することができた。

 だがSVの価値はそれだけにとどまらない。歴代SVになくてアヴェンタドールSVにあるもの……誤解を恐れずにいえば、それは「扱いやすさ」である。

最新作ウラカンのハイテクを移植

 実は、SVにはウラカン譲りの最新テクノロジーがいくつか転用されているのだ。ひとつは走行状況に応じてギア比を変化させるダイナミックステアリングであり、もうひとつは磁性体が入ったオイルに電気を流すことで、走行状況に応じて減衰力を可変する新しいダンパーシステムだ。これらが3つの走行モードが選べるドライブセレクトシステムに統合され、「ストラーダ(公道)」「スポーツ」「コルサ(レース)」の各モードに応じてエンジン、トランスミッション、4WDシステムなどとともに適宜コントロールされる。だからこれほどのモンスターなのに扱いやすさはノーマル以上。そう、750psのパワーはまさにドライバーの手の内にある!

 これを歓迎するかおせっかいととるかはアナタ次第。だが一旦コルサモードでコイツを走らせれば迷いは霧散するはずだ。唯一無二のシングルクラッチ式2ペダルMTはパワー伝達を最優先、変速のたびにガンガン容赦のないショックをお見舞いしてくるし、ハンドリングも4WDや可変ダンパーの制御変更でヒヤヒヤするほどオーバー気味に。そして何より周囲を威嚇して止まぬエキゾーストの轟音……。やはりランボルギーニはランボルギーニ。猛牛がそうやすやすと尻尾を振るわけはないのである。

ランボルギーニ・アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェ

東京標準現金価格 ¥51,792,353
全長/全幅/全高 4835/2030/1136mm
ホイールベース 2700㎜
車両重量 1525kg
エンジン型式/種類 -/V12DOHC48V
総排気量 6498cc
最高出力 750ps(552kW)/8400rpm
最大トルク690Nm(70.4kg-m)/5500rpm
トランスミッション 7速セミAT
燃費(JC08) -㎞/l
サスペンション形式 前:プッシュロッド/コイル
後:プッシュロッド/コイル
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前:255/35ZR20 後:355/25ZR21
問い合わせ先=ランボルギーニジャパン www.lamborghini.com/jp/

LE VOLANT BOOST編集部

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