それは凶暴で従順なモンスター
長いことで知られるカタルーニャのホームストレートを250㎞/h強で駆け抜け、迫る右コーナーを前にフルブレーキング。標準装備となるカーボンセラミックブレーキはタッチも効きも絶品だ。ストッピングパワーをペダルを戻しつつコントロールしながらステアリングを切り込んで行く。すると……コーナーでの身のこなしが明らかにシャープになっている!
ノーマルはもう少し背後の重量物(=V12エンジン)を意識させるハンドリングで、「踏んでアンダー、抜いてオーバー」と、挙動の変化も結構シビアに顕れるのだが、SVは後半のタイトコーナーで右へ左へ舞わせてもイナーシャが残らず、その動きは完全にひとまわり、いやふたまわりほどコンパクトなスポーツカーを駆っているかのよう。その一方で中~高速域の安定感は抜群。今回リアスポイラーの角度は「中」にセットされていたが、プレゼンテーションで示された額面通りのダウンフォースが得られているだろうことは容易に想像することができた。
だがSVの価値はそれだけにとどまらない。歴代SVになくてアヴェンタドールSVにあるもの……誤解を恐れずにいえば、それは「扱いやすさ」である。