到着時間にぴったり終わるビデオコンテンツまで選んでくれる
出勤ラッシュの高速道路。そのなかを走る1台の運転席に座る男性、おもむろにハンドルから手を離すとシートを深くリクラインさせて足を組み、本を読みはじめる。すると助手席側ダッシュボードがクルリと反転して巨大なディスプレイが出現。彼はそちらに目を移し、予想される通勤時間に合わせて選ばれた、お好みどおりのビデオコンテンツを楽しみながら、自動運転任せで会社へと向かう──米ラスベガスにて1月6日から開催されるコンシューマーエレクトロニクスショー(CES)に合わせてボルボが公開した動画を見れば、自動運転懐疑派も少なからず寝返ってしまいそうだ。
ボルボが開発中のこのシステムは、ドライバーが目的地をワンクリックで選択すれば交通状況まで考慮した最良の走行ルートを自動設定し、さらには乗員の嗜好に合うであろう、しかも予想される所要時間内に視聴できるビデオコンテンツまでチョイスして提供するというもの。実現には高画質の映像を途切れることなく送り続けられる高品質かつ広帯域のネットワークが鍵になるが、そのための技術開発パートナーにはボルボと同郷のスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンが選ばれている。
いまや自動運転車の開発は、制御技術そのもののだけでなく、運転から解放された乗員をいかに楽しませるかまで視野に入れる段階に来ているのだ。