その革新はパッケージングとボディにアリ?
レクサスLC500に搭載されるエンジンは、GS FやRC Fといった現行Fシリーズと基本的には共通である排気量4968ccのV8ながら、最高出力の公称値は349kW(475ps)と、Fシリーズの351kW(477ps)よりわずかに少ない。これがFシリーズの立ち位置を勘案して意図的に減らされたのか、馬力表示でキリをよくしたかったのか、はたまた吸排気系の違いによるものなのかは今のところ明らかにされていないが、530Nmの最大トルクはFシリーズとまったく変わりない。
組み合わされるトランスミッションは、Fシリーズより2段多い10速AT。欧州車ではハイエンドスーパーカーにまで標準的なデュアルクラッチは、相変わらず採用していない。これに関しては、発進時や低速時のマナーにも一切の隙を許さないレクサスのブランドイメージからすれば順当だろう。構成部品のアルミ化により、大幅な軽量化と部品の小型化を実施しているそうだ。
それらを搭載するプラットフォームはLC500のために新開発された。エンジンの前後方向の中心をフロントの車軸よりも後ろに下げて低く置くフロントミッドシップレイアウトで、前後重量バランスの最適化を図っている。サスペンションは前後マルチリンク。上下ともに2本のアームを持つ本格派で、ドライバーの操作や路面からの入力に対してリニアな応答と手応えを実現しているという。
高剛性ボディには軽量化のため、ルーフパネルやドアとトランクフードのインナーパネルにカーボンが導入された。ボンネットやフロントフェンダー、ドアパネル、フロントサスペンションタワーはアルミ製だ。エンジンルーム内には補強バーが4本、エンジンを取り囲むように菱形配置されている。ボディ寸法は、全長×全幅×全高=4760×1920×1345mm、ホイールベースは2870mmだ。
予防安全デバイスでは、ミリ波レーダーとカメラを用いて前方の車両や歩行者を検出し、警報やブレーキアシスト、自動ブレーキで衝突回避と被害軽減を支援する「プリクラッシュセーフティ」、車線維持をサポートする「レーンキーピングアシスト」、ヘッドライトの配光を自動的に切り替える「オートマチックハイビーム」、全走者との車間距離を保ちながら追従走行する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」の4つをパッケージ化して採用している。