コルベットの466馬力を上回る649馬力!
3月16日、GMは高出力V8エンジンを搭載した新型車「シボレー・カマロ ZL1」の追加を発表した。新たに採用されたスーパーチャージャー付き6.2リッターV8は最高出力649ps(477kW)、最大トルク640ft.-lb(868Nm)を発生し、10速ATもしくは6速MTと組み合わされる。
巨大なラジエターグリル、突き出したフロントスプリッターやサイドロッカー、リアウイングによりひと目で特別なカマロだとわかるエクステリアは、エアロダイナミクスと冷却性能を高めるべく100時間以上の風洞試験とサーキット走行で検討されたとのこと。高出力エンジンから放出される熱を逃がすフード中央のパワーバルジはカーボンファイバー製だ。
よく見るとフロントフェンダーの張り出しも大きくなっているのがわかるが、それもそのはず、そこに収められたフロントタイヤはなんと285/30ZR20で、カマロSS RSのリアタイヤよりも太いのだ。それに比べると、305/30ZR20サイズのリアタイヤは控えめにも感じられてしまう。
カマロSS RSの405psを大幅に上回るパワーを受け止めるべく、シャシーはマグネティックライドサスペンションと電子制御リミテッドスリップデフで強化された。当然、ブレーキもアップグレードされており、フロントには6ピストンのブレンボ製モノブロックキャリパーと390mm径の2ピースブレーキローターが導入されている。車両重量も90kg以上軽量化されているそうだ。
インテリアでは、スウェード巻きのフラットボトムステアリングとシフトノブ、レカロ製フロントシート、パフォーマンスデータレコーダーを装備。エクステリアに比べると変更箇所は少ないが、上に控えるコルベットとの兼ね合いを考えると、必要にして十分な範囲といえるだろう。
シボレー初採用の10速ATは、これまでの6速に比べてクロスレシオ化されていることもあり、シフト速度は格段に向上しているとのこと。10速ATはレクサスやフォードが先に発表しているが、LC500の発売は2017年春なので、搭載第1号車の栄冠は2017年モデルのF-150ラプターか、年内発売を予定しているこのカマロが勝ち取ることになりそうだ。なお、今回のものはZL1に合わせて専用にセットアップされているが、GMではほかのモデルにも10速ATを展開していく計画を進めている。2018年中に8車種に増やす予定だというからそちらも楽しみである。