ドライバーはD1チャンピオンの川畑真人選手
4月4日に日産が宣言したGT-Rの世界記録。その内容がついに明らかにされた。新たに打ち立てられた世界記録とは「スピード」。ただし単なる最高速度ではなく、“ドリフトの世界最高速”だ。
チャレンジはアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ国際空港に用意された特設コースで4月7日に行なわれ、達成された速度はなんと304.96km/h。2016年モデルつまり現行GT-Rをベースに高速ドリフト仕様としてモディファイされたスペシャルマシンは300km/hオーバーからドリフト姿勢に持ち込まれ、見事30度のドリフトアングルで全長3kmの滑走路を駆け抜けたという。
ステアリングを預かったドライバーは、全日本プロドリフト選手権“D1グランプリ”で二度の年間チャンピオンを獲得し、今年もニッサンGT-Rで参戦中の川畑真人選手だ。これまでの“ギネス認定世界記録”は、クロスカントリーラリーなどで活躍したポーランドのヤクブ・プリジゴンスキー選手が2013年にトヨタ86のスペシャルマシンで達成した217.97km/hなので、実に90km/h近くも一気に更新したわけだ。もちろんこの新記録は正式にギネスに登録されることになる。
なお、300km/h超の高速ドリフトに挑戦できるGT-Rの製作は、チューニングパーツメーカーとして知られる日本のトラストが担当した。NISMOの支援を受けた開発によって最高出力は1380hpにまで高められ、しかも後輪駆動に変更されたそうだ。その高速ドリフトを支える“足”には、やはり日本のメーカーであるRAYSの軽量アロイホイールとトーヨータイヤが選ばれている。
中東日産のマネージングダイレクター、サミール・シェルファン氏は、「ニッサンGT-Rは世界を代表するスーパーカーの1台であり、今回のドリフト世界最高速度記録の達成で世界有数のパフォーマンスをはっきりと実証することができました。この記録がUAEで達成されたことは、中東地域にとって特別な意味があります。NISMOブランドの絶好のデモンストレーションになりました」とコメント。これをきっかけに、産油国の富豪たちによるGT-Rの爆買いがはじまるかも!