それでもX3よりはコンパクト
4月25日、BMWは北京モーターショーにて新型「BMW X1 Long Wheelbase」を発表した。全長4.56mと標準ホイールベース車に対して11cmほど長いこのモデルは、3シリーズのロングホイールベース仕様と同じく中国市場に向けて開発されたもの。そのため同市場で需要の少ないディーゼルエンジンは用意されておらず、ガソリンエンジン車のみのラインナップとなっている。
エンジンを含むメカニズムや装備内容は標準ホイールベース車と基本的に共通で、グレード展開は136ps(100kW)を発生する1.5リッター3気筒ターボを搭載する前輪駆動のsDrive18Liおよび4輪駆動のxDrive18Li、192ps(141kW)を発生する2.0リッター4気筒ターボを搭載する前輪駆動のsDrive20Liおよび4輪駆動のxDrive20Li、そして同じく2.0リッター4気筒ターボながら231ps(170kW)を発生する4輪駆動のxDrive25Liという5モデル。組み合わされるトランスミッションは18Liが6速、20Liと25Liが8速のステップトロニックで、これも標準車と共通だ。
最大の特徴は言うまでもなく延長されたホイールベースによる後席足もと空間で、13cmの前後スライド量を持つ前席の位置により5cmから最大18cmも広い。なおかつ後席はリクライニング機構付きだ。なお、全長の延長分はすべてホイールベースに充てられているため、標準状態での荷室容量は標準車と同じ505リットルにとどまる。ただし、後席を前に倒しての最大容量ではホイールベースの増分が荷室として活用できるので、100リットル増の1650リットルとなっている。
ちなみに、延長されたとはいえ上級モデルのX3よりはわずかながらホイールベースは短く、さらに全幅が6cmも狭いため、取り回し性はX3よりもかなり良好なはず。X3では大きすぎるけれど、それに近い後席居住性がほしいという層は日本にも少なからずいそうなだけに、BMWには中国以外の市場への展開もぜひ検討していただきたいものだ。
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Text:Hidemitsu HOSHIGA Photo:BMW AG
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