新プラットフォーム「MSB」をはじめて採用
今回デビューを飾ったのはガソリン2モデル、ディーゼル1モデルで、「パナメーラ・ターボ」「パナメーラ4S」「パナメーラ4Sディーゼル」という布陣。
このうち日本に導入されるのはガソリン2モデルなのでそちらについて解説していこうと思うが、このうち「パナメーラ・ターボ」が搭載するエンジンは4.0リッターV8ツインターボ。先代に比べ排気量を800cc落としつつ、スペックは30ps/70Nmも上回る最高出力550 ps(404 Kw)/5750rpm、最大トルク770Nm/1960~4500rpmを発揮する。そして「パナメーラ4S」は2.9リッターV6ツインターボエンジンを積むが、こちらも排気量を100ccダウンしながら最高出力440ps(324 kW)/5650rpm(先代比+20ps)、最大トルク550Nm/1750~5500rpm(同+30Nm)を発生する。このV8/V6エンジンは基幹部品を共有するモジュラーユニットで、ツインターボはどちらもシリンダーバンク、V字になっている部分の中央上部に収められてエンジン自体をコンパクト化。これは同時にターボと燃焼室の距離が近づくということでもあり、結果スロットルレスポンスの向上にも貢献している。
トランスミッションはこちらもまったく新しい8速デュアルクラッチのPDK(DCT)で、先代の7速から進化。しかも最大1000Nmのトルクにまで耐えられるよう大容量化され、さらに将来的にはモーターを組み込むために142mmも短く作られているそうだ。つまり次期プラグインハイブリッドはトルコン式ATではなくDCTと組み合わされるということ。なお、今回デビューした3モデルはすべて全輪駆動だが、4WDは先代から唯一引き継がれたシステムといえるかもしれない。路面や走行状況に応じてシステムの核となる多板クラッチをコンピュータがアクティブに制御、前後輪に最適なトルクを分配する、すでに各方面から定評のあるシステムだ。
そしてこれらのパワートレインを収めるプラットフォームは、今後フォルクスワーゲングループで幅広く使われることになる大型FR/4WD用アーキテクチャー「MSB」をまっさきに採用。もちろんボディ設計のトレンドである軽量化には熱心に取り組んでおり、ホワイトボディは38%がアルミニウム製に(重量比)。結果として先代に比べ70kg軽量化、わずか405kgにまでダイエットしてきたそうだ。
そのほかにも空気容量を60%増したエアサスペンション、俊敏さと高速安定性を両立する911譲りの後輪操舵システム、油圧式から電動式になり、いっそうレスポンスが向上したアクティブスタビライザー「PDCCスポーツ」など、新機軸の数々はとてもじゃないがここでは説明しきれないほど。より細かい情報は8月26日発売のル・ボラン10月号を併せてご覧いただくとして、続いてサーキットでの同乗試乗の模様をリポートしよう。
スペックや価格など、より詳しい情報はこちら
http://www.porsche.com/japan/jp
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