なんと来年市販モデルに搭載予定
8月10日、アウディは革新的な衝撃吸収システム「eROT」の概要を発表した。“e”の文字から想像される通り、これはエネルギー回生機能を備えたサスペンションシステムで、ダンパーの上下動で発生する熱エネルギーから発電するというもの。
動作範囲は通常の油圧ダンパーと変わらず、コーナリングなどの大きくストロークする場面はもちろん、荒れた路面などでの細かい上下動にも反応。しかも、いわゆる減衰力特性を完全にソフトウェア上で設定できるため、リバウンド側だけを引き締めてバンプ側を柔らかくするなど完全に独立させることができ、その結果、乗り心地まで向上させることができる。また、システムはリアアクスルの位置に水平配置するため、ラゲッジルームの容量拡大にも貢献する。
気になる発電量は、舗装された道で3W、郊外の荒れた路面で613Wで、平均的なドイツの路面では100〜150Wになるという。これにより、二酸化炭素排出量で最大3g/km、燃料消費量で100kmあたり0.7リッターが削減される計算になるそうだ。現在はプロトタイプを開発中で、2017年中に市販モデルに搭載する予定とのことだ。