クルマ好きなら一見の価値あり
12月17日、映画「幸せなひとりぼっち」が全国で順次、劇場公開される。サーブ92、サーブ9000、サーブ9-5といった懐かしのサーブ車をはじめ、ボルボ車も登場し、スウェーデン車ファンは特に楽しめる作品だ。
59際の主人公、オーヴェは妻に先立たれ、会社もクビに。もはや人生を諦める……ハズだった!?
寂しさと哀しみにくれるオーヴェの日常は、隣に引っ越してきたパルヴァネ一家により一変することに。クルマのバック駐車、はしごのレンタル、病院への送迎、娘たちの子守……。次々にオーヴェを困らせる“うっとうしい”隣人は、いつしかかけがえのない友となり、凍てついたオーヴェの心を溶かしはじめる―—。
主人公オーヴェはサーブの信奉者で、同じスウェーデンブランドのボルボを完全敵視。さらに「スウェーデン車以外のクルマに乗るなんて。友達じゃない!」と言い切ってしまうほど。ボルボ愛好家の友人との、男同士の意地をかけた愛車自慢対決は必見だ。
この作品は、近隣住民との交流を通して主人公オーヴェを読み解き、「人生とは何か」、「愛とは何か」を問うヒューマンラブドラマ。スウェーデンのアカデミー賞といわれるゴールデン・ビートル賞を受賞し、世界17カ国での上映および、アカデミー賞外国語映画賞のスウェーデン代表に決定している。
アメリカではひと足先に公開がはじまり、「スウェーデン版『グラントリノ』だ!」と好評価。9館からスタートした公開劇場数が、190館にまで拡大するに至っている。また、2016年にアメリカで公開されたアート系外国映画の中では興行収入第1位となっており、アカデミー賞の賞レースに絡むのではないかと、エントリーが有力視されている。
スウェーデン車ファンはもちろん、興味のある方は、ぜひ劇場へ。新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかを皮切りに、順次公開される。
- 映画「幸せなひとりぼっち」
- 監督・脚本:ハンネス・ホルム
- 出演:ロルフ・ラスゴート
- 原作:フレドリック・バックマン/訳:坂本あおい(ハヤカワ書房刊)
- 2015年/スウェーデン/原題「EN MAN HETER OVE」/116分
- 日本語字幕:柏野文映
- 後援:スウェーデン大使館
- 配給・宣伝:アンプラグド