コラム

ホンダ「シビック・タイプR」の歩みを2分で知る

HONDA CIVIC TYPE R 2009 (1)

 

3ドアを要望する声に応えて

 

ところで、この3代目シビック・タイプRには続きが存在する。当初は4ドアモデルのみの展開だったが、イギリスで生産される欧州向け3ドアハッチバックを望む声も多く、これを受けてホンダは2009年に2010台を導入することを発表。「タイプRユーロ」の名称で限定発売された。なお、当初導入された2009年モデルが抽選になるほどの人気を博したため、翌2010年にも1500台が追加で導入されている。エンジンスペックは最高出力201ps/7800rpm、最大トルク193Nm/5600rpmだった。

 

国内750台で限定販売された4代目

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3代目が生産終了したのは2010年。それから5年もの空白の後、2015年に4代目がリリースされた。「心昂ぶるブッチギリの走り」をコンセプトに、高次元でパワー・トルク・レスポンスのバランスをとった新開発「2.0L VTEC TURBOエンジン」を初搭載。ホンダ独創のVTECに直噴技術とターボチャージャーを組み合わせ、最高出力310ps、最大トルク400Nmという歴代タイプR最強の性能を達成した。

 

さらに、エアロダイナミクス性能を高めたエクステリアデザイン、アダプティブ・ダンパー・システム、6速MT、19インチハイパフォーマンスタイヤにより、「走る・曲がる・止まる」という、クルマの基本性能を研ぎ澄まし、サーキットから一般公道まで高次元の走りを堪能できるドライビングフィールを実現していた。

 

量産車の性能評価にはドイツ・ニュルブルクリンク北コースを選定。開発車両で行われた走行テストにおいて、FF量産車として最速の7分50秒63というラップタイムを記録するなど、高い走行性能を発揮した。

 

こちらは国内750台限定で販売され、即座に完売したことも記憶に新しい。 

 

歴代最高の運動性能を誇る5代目は今夏リリース 

2017 Civic Type R

 

そして2017年夏、5代目のリリースが予定されている。サーキットでの走行性能に加えて、一般公道でのグランドツアラー性能を大幅に進化させた次世代のタイプRを目指し開発された。

 

パワートレインには、さらに進化させた「2.0L VTEC TURBOエンジン」を採用。先代を凌ぐ最高出力320psと最大トルク400Nmを達成している。また6速MTには、変速操作に合わせてエンジンの回転数が自動で調整されるレブマッチシステムを新たに採用。これにより変速時のアクセル操作が不要となり、よりステアリングやブレーキ操作に集中した運転が可能となる。

 

そしてリアサスペンションにマルチリンク式を採用したことや、高剛性化を図った新プラットフォーム、20インチタイヤの採用、ホイールベースおよびトレッドの拡大、重量配分の最適化などに加え、エアロダイナミクス性能をより高めたエクステリアデザインなどにより、運動性能を大幅に向上させている。

 

またコンフォートモードを追加したことで3パターンより選択可能となったドライビングモードにより、市街地からサーキットまで、より幅広い走行シーンにマッチしたダイナミック性能を提供する。

 

1997年の初代登場から2017年で20周年を迎える「シビック・タイプ R」。初代タイプRに込められた「シビックに運動性能と走る楽しさを付加し、ホンダのレーシングスピリットを継承するとともに、クルマを走らせる真の歓びをより多くのドライバーに」という願いは、20年後にリリースされる5代目まで忠実に継承されている。登場がいまから待ち切れない、注目の1台である。

 

 

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