中身はフルモデルチェンジ版!?
いまや兄貴分のお株も奪いかねないベストドライバーズカーとして人気の「M2クーぺ」だが、そのマイナーチェンジ版のようなテストカーがスクープされた。カモフラージュの下は現行M2とほぼ同じ印象だが、そこはまぁ新型車の常で「似て非なるもの」、つまりフルモデルチェンジ版の先行開発車の可能性がある。
なぜならこの車のデビューはCLARプラットフォームを採用する次期「3シリーズ」よりも後になるわけで、プラットフォーム戦略的にはこのM2もCLAR化されると考えられる。すると現行M2よりもさらに張りを増したと見えるワイドトレッド感も納得できる。もちろん新プラットフォームはシャシー性能のアップにも貢献しているはずだ。
そのM2クーペには「CS」なる高性能版が存在するという噂がある。BMWにとってはヒストリックな意味のあるこの名前が、Mラインナップの末弟に与えられるということは、このクラスがハイパフォーマンスカーの激戦区になってきたという背景によるものだろう。例えば競合するアウディ新型「TT RS」は、2.5リッター5気筒エンジンのリニューアルと4WDのメリットを生かして動力性能的にやや優位に立っており、M2も手をこまねいてはいられないわけだ。
BMWの反応はとてもストレートで、パワープラントを従来の「N55」型から生粋のMエンジン「S55」に換装してくるようだ。つまりただパワフルさを増すだけでなく、ショートストロークで高回転・高レスポンスの純血種になるといわれている。兄貴分とのカニバリズムを回避するための「調整」はあるだろうが、M2 CSが伝説に新たな1ページを加えることは間違いないだろう。