トヨタ自動車(豊田章男代表取締役社長)は、新しいスポーツカーシリーズとして「GR」の市場投入を発表。そのメディア向け発表会が9月19日(火)に東京お台場のMEGA WEBで行われた。今回発表された「GR」とは、これまで展開してきたカスマイズブランドの「G’s」に代わるもので、この4月からのトヨタ自動車の組織改革にともない新設されたGAZOO Racing Company(ガズーレーシングカンパニー)が開発を手掛ける新しいスポーツカーシリーズとなる。
発表会の冒頭に登壇した同カンパニーの友山茂樹プレジデントによれば、「これまでのGAZOOは、トヨタを名乗れない組織であり、いまだ社内で最も小さなカンパニーだが、ニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦や世界耐久選手権シリーズ、世界ラリー選手権、全日本ラリー選手権といったモータースポーツ活動を通じて鍛えたクルマと人のノウハウを注ぎ込んで、もっといいクルマづくりを目指し、このGRシリーズをきっかけにクルマを楽しむ文化を培っていきたい」とのこと。
発表会では、ドライバーでチーム監督の脇阪寿一とモータージャーナリストの今井優杏の司会によるトークセッションも開催。友山プレジデントを筆頭にしたGR開発部門やマーケティング、デザイン部門のスタッフに加え、石浦宏明、中嶋一貴、小林可夢偉、大嶋和也といったTGRドライバー陣がひな壇に並んで、GRに関するフリップトークで会場を沸かせた。お題が「モリゾウ」になると、サプライズでモリゾウこと豊田章男社長が登場。自身を評した「クルマばか」「涙もろい」「負け嫌い」に対してコメントを返すとともに、モータースポーツを軸にした「GR」シリーズに対する熱い想いを語った。
同会場ではGRシリーズとして、ヴィッツの「GR」と「GR SPORT」。プリウスPHV、ハリアー、マークX、ノア/ヴォクシーの「GR SPORT」をアンベール。同日に全国トヨタ販売店を通じて発売となった。また今後は、ヴィッツにエンジンチューンまで施した高性能版「GRMN」を2018年春ころに、86の「GR」とアクア、プリウスαの「GR SPORT」を今冬にリリースするとのこと。
また、今回のGRシリーズの投入に合わせて、「町いちばんの楽しいクルマ屋さん」をコンセプトに、クルマの楽しさを広める地域拠点「GR Garage」を立ち上げ、年内中に39店舗をオープン。クルマを楽しむ文化を醸成していくと発表した。