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クルマの周囲の自転車や歩行者を検出する、ボッシュが「予測緊急ブレーキ」を開発

差し迫った危険を感知してブレーキング

 

衝突被害軽減ブレーキの性能が向上し、歩行者や自転車を検知する機能も持つようになってきているが、その次に求められるのが「自転車や人の飛び出しへの対応」だろう。現在普及している衝突被害軽減ブレーキは、ドライバーのうっかり(不注意)をカバーして自動にブレーキをかけるシステムで、見えないところから飛び出してきた自転車や人には対応しきれないとされている。

 

ドイツのすべての車に自転車を検出できる緊急ブレーキシステムを装備すれば、自転車と車の事故を、ほぼ半減できる計算となる。

 

ボッシュの電気式ブレーキブースター「iBooster」は、負圧を必要とせずに電気信号で制動力を立ち上げるシステムで、瞬時にしてブレーキ力を倍加できる機能を持っている。このシステムをより進化させれば、自転車の飛び出しなどにも対応して瞬時にブレーキを作動させ、ボッシュによると190mm/秒の早さでフルブレーキングできるという。この早さはまばたき2回分より短い時間であり、自転車の飛び出しにも十分対応できるとのことだ。

 

自転車の検知機能を持つ衝突被害軽減ブレーキはボルボとスバルがすでに実用化しているが、ボッシュのこの新しい機能は飛び出しにも対応するという。リアルワールドでどこまで機能を果たしてくれるのか興味深いところだが、こうした機能をアピールする背景にはドイツでの対自転車事故の多さがある。

 

ドイツでは人身事故をともなう事故全体の4分の1に自転車が関係しており、2016年だけで393人が命を落としている。そうした事故を防ぐための機能としてiBoosterを活用するわけだが、さらにボッシュは停車して開けたドアに後方からの自転車が衝突する事故に関しても言及。これは衝突被害軽減ブレーキとは違うが、「後方中距離センサー」により半径20m以内の自転車等を検知し、警告等により事故を未然に防ぐこともできるという。

 

この手の事故は日本でも多発しており、死亡事故とはいかなくてもケガをともなった事故となりやすい。すり抜けて走るミニバイクも検知できるかどうかは不明だが、こうした事故回避機能は日本でもニーズがありそうだ。実用化には誤作動を防ぐためにさらなるセンシング機能の精度向上が必要となるだろうが、次なる予防安全機能として、ぜひ実用化を望みたいところだ。

LE VOLANT BOOST編集部

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