日産は完成検査問題での生産中断が影響
2017年度(2017年4月〜2018年3月)の日本国内の四輪車生産台数は967万6145台と前年度比3.4%の増加となり、1000万台には届かなかったものの、2年前の’15年度が919万台程度だったことを考えると悪くない数字だ。内訳は乗用車が3.8%増の833万9404台と多くを占め、貨物車は2.1%増の121万8060台となっている。
同じ期間の輸出台数も3.2%増の478万6909台と増加しており、海外生産が増えているものの、国内生産のほぼ半分が輸出されていることになる。一時期よりは円安が進んだことで輸出が増えたという事情もあるようだ。
メーカー別ではトヨタ自動車が0.3%増の微増ながら319万8912台とほぼ3分の1を占め、2番手にはCX-5やCX-3の販売が好調なマツダがランクアップ。2.3%増の98万6862台となり、国内の生産体制を充実させた効果が出たようだ。一方で日産自動車は昨年の完成検査の不備による出荷停止の影響で2.9%減の98万5541台と100万台を切り、わずかの差ながらマツダに抜かれる形となる。
4番手のスズキも軽自動車の好調で11.5%増の97万1065台と2ケタ増となり、5番手にはやはり軽自動車の生産が増えたダイハツが20.1%増の92万8328台と続く。ちなみにダイハツの国内生産台数は過去最高を更新している。
海外生産へのシフトを強めているホンダは2.3%増ながら82万9216台と6番手となり、スバルも海外生産は過去最高ながら国内生産は北米向けインプレッサを米国生産としたことで国内生産は減少。ホンダとスバルは輸出台数も減少しており、このあたりは海外シフトの影響が大きく表われている。
グローバル販売を伸ばす上で生産の海外シフトはたしかに有利で、人件費を抑えられるとか、円高など為替の影響を受けにくいなどメリットは大きい。だが国内の経済活性化を考えると雇用の減少などデメリットも出てくる。日本の企業として国内生産をどう位置づけるかは難しいところだが、基幹産業として日本の経済を支える姿勢も忘れずに保って欲しいものだ。