ちなみに、従来型のV60と比べて随分と広がったように見えるプロポーションだが、実は全幅の数値はほぼ変わらず。ルーフラインが50mm以上も低められたことによるタテヨコ比で錯覚しがちだが、全長が約120mm伸びただけで、いわばロー&ナロー。エステートならではの存在感を際立たせる。
こうしたジャストフィット感は室内全般にも通じる。パッセンジャー同士の距離感、プライバシーがほどよく保たれたスペース、ダッシュセンターの縦型9インチタッチスクリーンとステアリングスポークにインターフェイスやコネクティビティ、コントロール系の操作を集約したユーザビリティ、どこかホッとするような居心地のよさが身に染みるインテリアなど、すべては「人」を中心に据えたボルボのクルマ作りの精神と世界観がそこにある。試乗車のトリムラインは最上級のインスクリプションで、クールなブラックレザーとメタルのコンビだったが、ボルボが設えると冷たさとは無縁の装いとなるから不思議なものだ。
なお、ラゲッジルームは通常時で529リットル、最大で1441リットルと十分な容量を確保。週末のアクティビティに向けてこれでも足りないなら、ルーフキャリアを付けてお気に入りのギアを積めばいい。今度のV60ならアクセスは容易だ。