まずは一般道へと走り出す。前述のとおり、車名に“サーキット”がつくゆえ、さぞかしハードな乗り心地なのだろうと恐る恐る身構えていたのだが、それが意外なほど快適。確かに路面の凹凸は多少拾うものの、不快な突き上げは皆無で拍子抜けしてしまうほどだ。昨今のスーパースポーツは、昔に比べると驚くほど乗り心地がいいモデルが増えてきているが、これなら日常使いでも全く問題ないレベル。かなりの段差を通過する際にも、フロアには「コツン」くらいの衝撃しか伝わってこない。冒頭で述べた通り、そのネーミングにはいい意味で裏切られた感じだ。
マラネロ周辺の一般道の制限速度は、50km/hや70km/h、あるいは90km/hとされているから、それほど飛ばすことはできないが、前走車がいないところを見計らって、試しにアクセルを深く踏み込んでみると、488ピスタは蹴とばされるような感覚とともに、一気に鋭い加速を披露してくれる。それもそのはず、0→100km/h加速2.85秒というポテンシャルを持ち合わせているのだから、慌ててアクセルを緩めないとすぐに制限速度をオーバーしてしまいそうだ。