日南フェニックスロード(No.094)
南国ムードあふれる美しきシーサイドの道。
日南フェニックスロードは、宮崎市街から国道220号と国道448号を経て、宮崎県最南端の都井岬へと至る全長約85kmのシーサイドの道。青島や堀切峠、鵜戸神宮や油津といった日南海岸の観光名所のほとんどがこのルート沿いにあり、南九州を代表する観光ルートになっている。
宮崎市街から青島海岸を抜け、ゆったりしたコーナーを2つ、3つ抜けると堀切峠。その標高はわずか62mで、国土地理院の地形図に記載のある峠のなかでは日本一低い場所にある。青い海をバックにしたフェニックスの並木道は、峠道らしからぬトロピカルムードあふれるものだが、道路脇の展望台からの眺めはすばらしい。目の前には日向灘の大海原が広がり、白波に洗われる隆起海床と奇形波蝕痕、通称〝鬼の洗濯板〟が眼下に一望となる。
この国道220号のうち宮崎市から日南市にかけての区間は鵜戸街道という別称もある。神秘的な洞窟の社、鵜戸神宮を詣でる人が盛んに行き来した道で、いまでこそ爽快なドライブを楽しめるようになっているが、昔の道は断崖絶壁をゆく険路だったらしく、「日向七浦七峠」とも呼ばれていた。
日南市から南、国道448号に入ると道幅がやや狭くなるが沿道には美しい入り江や砂浜が数多く点在。県道36号に入り、山道を少し走ると、やがて御崎馬がのんびりと草を食む都井岬灯台が見えてくる。