清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number 77:国産スーパースポーツの両雄が2016年ラストバトルで名勝負!
ホンダ NSX vs 日産GT-R ピュアエディション
TEST 01:加減速テスト
テストの「方法」と「狙い」
●加速テスト
静止状態からフル加速し、100km/hに到達するまでの時間から平均加速Gを算出。非力なクルマは0.15G程度、高性能車では0.6Gに達するクルマもある。エンジン、トランスミッション、トラクションのかかり方といった、パワートレイン全体の能力をみる。
●ブレーキテスト
100㎞/hからフルブレーキング、停止するまでの時間から平均減速Gを算出する。減速Gはどんなクルマでも0.8G〜1.2G程度だが、加速Gに対応した減速Gを持っていることが重要。そうでないクルマは危険といえる。
加速テスト
ブレーキテスト
加速の滑らかさはNSX
ブレーキの制動力はGT-Rに一日の長
3.8L V6ツインターボと6速DCT(ツインクラッチ)、さらに電子制御AWD、加えてリア荷重を大きくするためのトランスアクスルという凝ったパワートレインのおかげで、加速性能はポルシェ911ターボに匹敵。通常モードで加速すると0.62Gと力強いダッシュで駆け抜けるが、ローンチコントロールで急発進すると0→100km/h加速は3.56秒、加速度は0.77Gだ。クラッチが繋がった瞬間にグッと背中を押される加速はターボトルクの大きさを物語る。このエンジンは絶大なトルクが特徴で、AWDとのマッチングは良い。ブレーキも強烈だ。重めのブレーキを踏み込むとすぐに大きな制動力を発揮する。
NISSAN GT-R PURE EDITION
加速:0.62G(★★★★☆)
減速:1.10G(★★★★☆)
NSXのパワートレインは3.5L V6ツインターボ+モーター。フロントには左右独立したモーターを配備し、モーターのトルクベクタリングで異次元の操縦性を狙っている。加速力はGT-Rとほぼ互角。ノーマルモードでは0.67Gと発進時にモーターが貢献し、ローンチコントロール使用時では0.77Gとなり、ほぼGT-Rと同じ加速性能だった。しかし、モーターアシストできるNSXは加速時にターボのタイムラグをまったく感じなかった。一方ブレーキは初期の効きが甘く感じられ、リニアリティはもう一歩である。ABSはロック率の高いところで制御するが、ブレーキ性能はGT-Rに負けてしまった。
HONDA NSX
●加速:0.67G(★★★★☆)
●減速:1.01G(★★★☆)
- 1
- 2