清水和夫のDST

NSX vs GT-R、新品タイヤと6分山タイヤの大きな違いが結果にも【清水和夫のDST】#77-3

NSXは新品タイヤの時と
6分山タイヤの時の差が大きかった

NISSAN GT-R PURE EDITION
●制動距離:55.7m(★★★☆)

ウェットの旋回ブレーキはタイヤのウェット性能とブレーキとステアリング機能が同時に評価できる厳しいテストだ。GT-Rのタイヤは新品で6.3mmだが、テスト車は5.5mm前後の摩耗だった。テスト結果はウェットに進入した瞬間、フロントのタイヤがハイドロプレーン現象で一瞬舵が効かなくなったが、速度が低下すると舵の効きは復活する。VDCが機能しているのでスピンすることはなかったものの、半径40mのラインからは大きく外れてしまった。2回目のテストはステアリングをやや先行させてブレーキを踏むが、こちらでもデータのバラ付きはなかった。タイヤの摩耗状況を考えると満足できる結果だ。

HONDA NSX
●制動距離:55.8m(★★★)

直線制動で感じていたが、ブレーキの初期の効きの甘さやABSの制御がウェットでどう影響するのか少々不安もあった。果たして6分山に減ったタイヤでは挙動はスピン傾向が見られた。VSA(ESC)が備わっていても、ミッドシップのテールスライドは止められない。初回のテスト車のリアタイヤはGT-Rよりも減っていたので、新品に交換して再テストも行なった。新品タイヤではスピンの挙動はなくGT-Rよりも内側のライントレースが可能だった。気になったのはABSの制御。ロック率が高いので、リアの安定性が少し不足気味だ。新型NSXは曲がることは得意なのだが減ったタイヤでは安定性に難があると思った。

ル・ボラン 2017年2月号より転載
CARSMEET web編集部

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