海外試乗

【BMW ALPINE xDRIVE】BMWを雪上でいかに上手に楽しく運転し、スリルと興奮を味わうか。

駆けぬける歓びを雪上で堪能する!

通常のドライバー・エクスペリエンスといえば、いざという時の危険回避や、そうならないための運転方法を学び、安全なテクニックを身につけるというもの。しかし今回のイベントのテーマは、さまざまなBMWモデルを雪上でいかに上手に楽しく運転し、スリルと興奮を味わうか--。xDriveの4WDモデルのみならず、Mモデルのパフォーマンスを思い存分に体験することができた!

BMWのxDRIVEで雪原を駆けぬける

「ニュージーランドで駆けぬける歓びを堪能しませんか?」という、お誘いをいただいた。時は6月下旬。てことは南半球はま・ふ・ゆ。その名も「BMW ALPINE xDRIVE」と題されたこのイベントは、ニュージランドBMWが企画した、雪や氷の上でドリフト三昧……、いやいや、BMWモデルの4WD性能を堪能したり、Mモデルのパフォーマンスを体験するというウインター・ドライビングエクスペリエンス。

会場はニュージーランドのサウスアイランドに位置する専用テストコース。あたりは南アルプス山脈がそびえるスノーボードなどでも有名なエリアで、ここにヘリコプターで向かう。ゴージャス〜♪

ニュージランドBMWが初めて企画した「BMWALPINE xDrive」。会場までは南アルプス山脈を見渡しながらヘリコプターで移動。ちょっと感動。

まずドライビングポジションのレクチャーからはじまるのは、全世界で共通のお約束(笑)。きちんとブレーキ踏んだり、ステアリングを正確に操作するためには、きわめて重要。結果的に運転中の疲労軽減にもつながる。

インストラクター陣は、GTチャンピオンをはじめとするレーシングドライバーが務めている。M3に乗って同乗走行を体験したが、やっぱり運転はお上手(笑)

X3 xDRIVE 30i Mスポーツに乗車し、雪道の慣熟走行からスタート。気温はマイナス3.5度。ああ、ステアリングヒーターが欲しい。普段は気にならないが、こういう切実な状況になるとあらためて感じるものだ。

雪の状態はパウダースノー。4輪がガシッと路面をつかんで、アクセルを踏み込んでも滑る気配もない。しかし「谷底に落ちたら危ないです」と無線が伝えてくる。

X3のxDRIVEと呼ばれる4WDシステムは、後輪駆動(FR)をベースとしたもので、後車軸にはFR同様、プロペラシャフトで常にトルクを伝える一方、前車軸にはトランスファーに配置された電子制御多版クラッチによって走行状況に応じてオンデマンドでトルクを配分する。

氷の坂道を片側の車輪だけでグイグイ登っていく姿には、皆ホレボレ?

テストコース内に、左側だけ氷の板に乗った坂道を登るというコースが用意されていた。普通のFRRだと、氷側に乗った左側タイヤは滑って登れないが、BMWのxDRIVEなら、反対側の前後タイヤの力で登っていける。また、SUVモデルにはヒルディセントコントロール機能が搭載。これはスイッチひとつで一定の速度(8km/h)で急な坂道を下ってくれる優れモノだ。インストラクターは、ドアを開け足を車外に出せと言う。要は人間がブレーキを踏まなくても、クルマだけで安全に坂を下っていくパフォーマンスなのだが、ちょっと怖かった。

 

いよいよMモデルでドリフト三昧

次はオーバルコースでアンダーステア、オーバーステアなどのクルマの挙動を体験する。ここでドライブするのは、M2、M4、M5といったスポーツモデル。微妙にアクセルをコントロールしつつの定常円旋回では、ちょっとしたステアリング操作によって、クルマの挙動はアンダーまたはオーバーステアの状態に陥る。その微妙なサジ加減で、ドリフト状態に持って行きたいのだが、残念ながらワタクシはスピンしまくりでうまくいかず。ああ、これがうまく決まったらどんなに楽しいだろうか。

もっとスピードを上げろ! ステアリングを切ったまま、アクセルのオン/オフでドライブしろ!と無線を通じてインストラクターが言っているようだが、それができれば苦労しないって。でも、このレッスンが一番楽しかった。

イメージ的に、小さいM2が小回りが利きそうに感じるが、実際に一番扱いやすかったのはM5だった。そうか、新型M5のトピックは、Mセダン初となる4WDが搭載されていることだったじゃあないか。4.4L V8エンジンを搭載する新型M5は以前にもましてパワフルになり最高出力600psを発生する。いくらパワーがあってもそれを路面に伝えられなくては意味がない。いうまでもなく4WDは4つのタイヤに駆動トルクを振り分けるから、2輪駆動に比べて許容するパワーに対するアドバンテージは大きい。そこで圧倒的なトラクション性能のよさに加え、通常走行時でも安定性と安心感を生み出す4WDは、いまやハイパワースポーカーには必需品となっている。

新型M5のあり余るパワーをM xDriveによる4WDシステムで雪上を駆けぬける。FRのM2、M4と比べても、走行安定性は高かった。

そこで、ふと疑問に思ったのが、通常のxDRIVEと、M5のxDRIVEは何がどう違うのか?ということである。

BMWには、大きく分けてFF用xDRIVE、FR用xDRIVE、M5用のM xDRIVEと3つの4WDシステムがある。FF用はさておき、FR用のxDRIVEは通常走行時のトルク配分は約40:60だが、走行状況に応じて0:100から50:50までオンデマンドに変化する。ただし、これはクルマが緻密な制御で行なってくれるものでドライバーが意図的にトルク配分をすることはできない。

通常の(FRベース)xDrive

対してM5用は基本的なシステムはFR用と共通だが、アクティブMディファレンシャルと組み合わされる。だからM xDRIVE。そしてFR用との大きな違いは“ドライバーが意図的に”0:100の完全なFR(2WDモード)を設定できることだ。さすがBMW、いやさすが“M”!

新型M5 M xDrive

デフォルト設定は4WDなので、日常の足として使う際には、濡れた路面や積雪時などの悪条件でも余裕のある走りを手に入れることができる。そしていざ腕に覚えのあるドライバーが、サーキット走行やスポーティなドリフト走行を楽しみたい時などは、2WDモードを選択して純粋なFRモードで駆けぬける歓びを堪能することができるというわけだ。さらに4WDにも通常モードと4WDスポーツが用意されており、4WDでもドライバーの好みに応じて走行特性を設定できるのはさすがといえる。ちなみにこれらはiDRIVEの設定画面から変更する。

トランスファー

さらにアクティブMディファレンシャルによって、左右後輪間の駆動トルク配分も制御する。これはリアの路面グリップが変化する場合などでは、その状況にあわせて後輪左右に常に最適なトラクションを伝えることによって俊敏性や走行安定性を確保するのだという。ちなみに、M2やM4にもアクティブMデファレンシャルは標準装備されている。

アクティブMディファレンシャル

FFや4WDに比べ、もともと高速時の直進性などに不利なFR方式を採用するBMW。しかしそれを解決すべくさまざまなテクノロジーを駆使して駆けぬける歓びを提供しているのだ。50:50の前後重量配分にこだわるのもそのひとつなのだろう。ひとたびステアリングを握れば、確かな手応えとともに思った通りの動きでスムーズにフロントが向きを変える。どんなクルマとも違う独特の運転感覚がBMWの魅力だ。

雪道でも、スポーティな走りを楽しめるBMW。4WDというと、アウディのお家芸クワトロがすぐに思い浮かぶが、BMWのxDRIVEだって負けてはいない。

最後は参加者が見守る中でも、スラロームでのタイムアタック。雪道では早めのブレーキングが大事だということを実感。

今回の参加費用は7,200ニュージーランドドル。日本円にして約55万円程度。ちょっとお高いが、2泊分の宿泊費、行程中の食費、参加費、ヘリ代等々、全てが含まれる。もちろん日本からの参加も可能。

申し込みや、イベントのハイライトビデオはこちらから。
https://www.bmw.co.nz/en/topics/world-of-bmw/all_events/alpine-x-drive.html

リポート:京谷則子(ル・ボラン編集部)/フォト:BMWジャパン/ル・ボラン 2018年12月号より転載
LE VOLANT web編集部

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