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「サーキットで走りたい!」萩原秀輝が魅せられた【BMW M5コンペティション】

新型モデル試乗の裏メニュー

ところで、午前中のMモデル試乗プログラムには超希少な「M5コンペティション(2018年特別限定車のM5 EDITION MISSION:IMPOSSIBLE)」も投入された。4リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、標準のM5よりもパワーが25ps上乗せされた625psを発揮。ダンパーとスプリングを強化したサスペンションで車高が7mm下がりフロントキャンバーも最適化されている。

というわけで、参加者がフリー走行に興じている間に、ボクもパドックに置かれたM5コンペティションに乗り込む。アクセルを踏み込むと、中回転域から爆発力の大きさをエンジンが誇るようなビートを刻み、高回転域ではそれが高密度になりヴァォーンというレーシングエンジンのサウンドを想像させる連続音へと変化。2速7000rpmで92km/hなので、高速道路の本線合流とか公道で試せることもウレシイ限り。

でも、本領は超高速域で発揮される。パドル操作により8速ATをシフトアップするほどに、高回転域の加速の伸びがベースのM5とは明らかに異なってくる。

専用サスペンションも、かなり引き締まった設定となる。目に見えない路面のわずかなデコボコも振動として体に伝えるから、むしろ別モノをドライビングする気分が盛り上がってくる。路面に段差とかを通過するとズシッという振動を感じることもあるけれど、快適な乗り心地から一転するワケではない。すでに、いい意味で身構えているのでドライビングはアップテンポ。すっかり、M5コンペティションの誘いに乗ってしまっている自分に気付く。

それでいて、ただ荒っぽいだけのモデルではない。引き締まっていてもサスペンションの動きがスムーズなので、体幹を突き上がるような不快感には結びつかない。コーナーの立ち上がりであえて早めのタイミングでアクセルを踏み込んでも、狙った走行ラインを保ち続けるから危なっかしさもない。前後のトルク配分を連続可変制御するフルタイム4WD(FRの選択も可能)のM xDriveの威力だ。

このM5コンペティションでサーキットを走りたい、M2コンペティションの限界性能にも迫りたい! 午後のフリー走行ではボクの出番がなかったから、参加者の走りを羨ましい思いで見ていた……。2019年も、BMWワンメイク・ドライビング・レッスンは実施を予定している。次回は、ボクも参加者になろうかとホンキで考えている。

モータージャーナリスト 萩原秀輝氏

BMW M5 EDITION MISSION IMPOSSIBLE
【Specification(欧州仕様)】■全長×全幅×全高=4966×1903×1469mm■ホイールベース=2982mm■車両重量=1865kg■エンジン種類/排気量=V8DOHC32V+ツインターボ/4395cc■最高出力=625ps(460kW)/6000rpm■最大トルク=750Nm/1800-5800rpm■トランスミッション=8速AT■サスペンション(F:R)=ストラット:5リンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=275/35ZR20:285/35ZR20■車両本体価格=19,640,000円

専用サイト https://bmw-mission.jp/lineup_m5.html

リポート:萩原秀輝 H.Hagihara/フォト:小林俊樹 T.Kobayashi

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