ともに文句なしの操作性だからこそ、それぞれの個性をもっと主張してもいい。
メルセデス・ベンツ S300h
●操縦安定性:★★★★☆
●Wレーン通過タイム平均:70.21km/h(2回平均)
メルセデスは1990年代末に起きたAクラスのリコールで、ESP(ESC)の重要性や効用を再認識した。Aクラスは横転の可能性が指摘されたが、ESPを装備することで対処。それ以来、メルセデスはESPの性能開発に熱心だ。多くのメルセデスと同じようにS300hも、重い車体を安定させるために、ESPを積極的に使っている。左に急ハンドルを切った瞬間にブレーキが介入し、「早く・強く」制御される。車両を安定させるためにだけでなく、スピードも落とすので、元のレーンに 戻るのも楽になる。Sクラスの性格上、ハンドリングはあまり得意ではなく、そのためにスピードを低下させて安定性を確保する考えだ。スタビリティの高さは2.1トンのクルマとしては合格だ。