オールステージハイパフォーマンス
新たなスタンダードジムニー
新型ジムニーは、今までジムニーに乗っていたユーザー以外からも注目度が高い。さまざまな雑誌を見ると、大手チューニングメーカーの情報は容易にゲットできるが、アピオの印象をオールラウンドで優等生的なメーカーという風に理解している人が多い。実は大きな間違いだ。ジムニーユーザーの、チューニングに対する敷居を低くする努力を常に行っているため、そういった印象を持たれがちだが、もともとさまざまな国際ラリーへの参戦を積極的に行うなど、アピオのクルマ作りはかなりレベルが高く、必要パーツの開発速度はどこよりも早い。今回、持ち込まれた新型ジムニーも、サスペンションだけでなくオフローディングに必要な、すべてのガード類がもう製作済み。さすが、ラリーという生還を目的とした競技経験豊富なアピオならではだ。
サスペンションの検証は、まずオンロード。減衰力調整式ダンパーの採用で乗り味は自由自在。さまざまな数値を試させてもらったのだが、筆者的にかなりツボとなる数値があり、ハッキリ言ってご機嫌。乗り心地よく、ワインディングが楽しい。リラックスした状態で安心安全に結構なペースで走ることができる。
次にオフロード。接地感が掴みやすく、路面状況の把握が容易。まずダートを走らせてみたのだが、リフトアップしているにも関わらず、安定感抜群。オープンデフなのにドリフト走行が可能。新設された強化スタビの効果もバッチリで、オンオフ問わずノーズがよく入る。クロカン走行時の接地性もまずまず。絶対的なストロークで走破性を出すタイプではなく、ドライバーへの情報伝達を重視したサスペンション。対話しながらクルマと一体になれる。