美しい国を、愛しいクルマで
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FILE.19 宮崎県 日南フェニックスロード 編
全国のヤナセから試乗車を借り、ドライブに出かける本企画。今回は、ひと足早い春を求めて宮崎県を訪れた。メインルートには日南海岸沿いを走る、日南フェニックスロードを選び、観光スポットに立ち寄りながらのんびりドライブ。メルセデスの魅力を再確認した、走りごたえのある旅となった。
豊富な見所が待っている宮崎のロングドライブ
「日本のひなた宮崎県」。そんなキャッチフレーズがあるとは知らなかったが、降り注ぐ陽の光は大寒に訪れたことを忘れさせてくれ、店先に並ぶ地元の食材はとても豊か。ひと足早く春と出会える宮崎をメルセデス・ベンツで旅をした。
今回のルートは、鹿児島方面から都城(みやこのじょう)を経由して宮崎市へ。そこから日南フェニックスロードを南下して都井岬を目指すドライブコースだ。
相棒として選んだのは、ディーゼルユニットを積むEクラスステーションワゴンだが、このチョイスが大正解。ロングドライブでは、偶然に走りごたえのある道と出会えることがある。例えば、都城を散策中に走った国道222号は思いのほか気持ちのいいワインディングロードであった。そうとなれば、自ずとステアリングとペダルの操作は積極的になってくるが、なにせ大人2人+撮影機材と旅行鞄を積み込んだ車両は、決して身軽とはいえない。しかし、豊かなトルクが前へ前へと押し進め、軽快なフットワークで駆けぬけていく。さらにそれをドライビングプレジャーへと昇華させてしまうのは恐れ入る。いかなる状況でも、パッセンジャーに応えてこそ、真のプレミアムブランドなのだ。
日南フェニックスロードは、宮崎市街から都井岬に至る道の愛称で、カナリーヤシ(=フェニックス)などのヤシ科の樹木やハイビスカスが咲く南国ムード溢れる道。ひと足早い春どころか夏をも感じさせる風情は、気分を高揚させてくれるが、なにもトロピカルラインばかりではなく、ワインディングロードや開放的なシーサイドラインも現れ、変化に富んだドライブが楽しめる。また、波の侵食と隆起によって生まれた隆起海食台、通称「鬼の洗濯板」が広がる青島やサンメッセ日南のモアイ像など、ロードサイドは見所が豊富。観光メインの旅もきっと満足できるはずだ。
日南市の油津港付近まで南下すれば国道222号と交差。この道を6kmほど都城方面へ走れば、九州の小京都と称される飫肥(おび)にアクセスできる。武家屋敷を改装したカフェや、城下町の名残ともいえる鍛冶屋をルーツに持つ刃物店などもあるので、歩いて巡るのがオススメ。小さな発見や出会いが待っているはずだ。
ドライブの終着地、都井岬についたのは夕方。野生馬が生息するエリアで、必要以上に人間やクルマを警戒することなく、好きな所で草を食べている。運がよければ、暁色に染まる海をバックに愛車と野生馬の2ショット……そんな、夢のようなカットも狙えるかもしれない。