基本的なオフロード用アイテムをいち早く装着

自動車用パーツはそう簡単に出来上がるモノではない。バンパーなどの成形物ならまずは型を起こし、そこから細部の作り込みや装着方法を検討。そして試作品ができたら、さらに煮詰めていく。アフターマーケットにひと通りの新型ジムニー用パーツが出揃うのは、どんなに早くて半年と思われていた。しかし、サスペンションの各種パーツに始まり、前後バンパー、サイドシルガード、牽引フック、インテリア用パーツ、マフラーやインタークーラーなどエンジン系のスープアップ用パーツと一挙に多数のアイテムを開発したショップがある。京都のハイブリッジファーストだ。

トランスミッションとトランスファーのシフトノブに加えて各種ペダルも手掛けている。

積載時にリアシート背面を保護するリアフロアマット3Pセット。荷物の滑り防止にも効果的。
同店代表の大嶋氏はJB64が発表&納車されるや、なんと9日後に開催されたJSTC東北DV第1戦に試作のサスペンションを装着して参戦。その驚くべきほど意欲的な姿勢に誰もが衝撃を受けた。そこからも手を緩めることなく、基本的なオフロード用アイテムをひと通り手掛けて完成したのがこのJB64である。

フロントバンパーはJB23同様、スキッドプレートとの組み合わせを採用。このデザインが主流となる?

車検に対応する9mmワイドのフェンダー。フロントバンパーと繋がるラインに注目したい!
中には「昨日仕上がったばかり」、「まだ試作品」というアイテムもあるが、最終ページに掲載されているパーツリストを見ていただきたい。これだけの点数をわずか2カ月で仕上げたのは驚異的のひと言。

大嶋氏が開発に協力したアルミホイール「スライスナイン」。3カラーを設定する。JWL-T規格品。

ステーを使ってフレームに固定するリア用牽引フック。ドレスアップ効果も期待できる。
もちろん、単に見せかけのために作ったモノなどひとつもない。すべてハイブリッジファースト・大嶋氏が長年培ってきた最高レベルのノウハウを注ぎ込んだアイテムばかり。作りやデザインを見て、さらにその機能性を知れば「なるほど!」と感心させられる。新車コンプリートをラインナップさせるのも時間の問題だろう。とにかく楽しみだ。
スピード系競技での常勝は当然の結果。意のままに走る感動的チューニング

スピードトライアル参戦車両で圧倒的な装着率を誇るのがハイブリッジファースト製サスペンションだ。軸となるスピードマイスターコイルスプリングは45mmアップ仕様で、バネレートはやや高め。2インチアップにしなかったのは走りを重視しての結果で、バネレートもハイスピード走行を考慮してセッティング。

「なぜこの位置?」と疑問のあったエアクリーナーは「最適!」と言える場所に移設。

純正コンピューターはまだ解析できていないため、取りあえずはサブコンでファインチューン。
JB64用コイルも同じ理念で開発されており、45mmアップ、バネレートはフロント2.5㎏、リア2.5㎏と高めの設定。数値を聞くと「硬い」と思う人は多いだろうが、実際にドライブするとそのマイルドさに驚かされるはず。大嶋氏は「巻数や巻方などを工夫すれば、レートが高くても乗り心地のよいコイルになる」と言う。

インタークーラーは大型の前置きに変更。位置、大きさともにここならまったく持って問題なし。
実際、初期入力からスムーズにストロークして、スピードを上げてもじっくりと粘る。コーナリングはまさにオンザレール感覚で、狙ったラインをトレースしていく。面白くてついアクセルを踏む込むものの挙動は安定したまま。そして、メーターの数値を見て「こんなに出していたのか?」と驚くことに! ショックは高性能のFOXを奢っていてその恩恵もあるが、オンロードでは思わずにやけるほど官能的な走りを堪能できた。

試乗車には前後にLSDが組み込まれていた。ブレーキLSDはあてにならないのでこれがイイ!

コイルプリングは45mmアップ仕様で開発中。JB23と同様、競技で勝てるスペックだ。
オフロードでも安定した挙動は変わらず。さすがに45mmアップだと深いモーグル地形で足を浮かすが、前後に組み込まれたLSDが前へと走らせる。キャンバー地形でも挙動が落ち着いているので不安を感じさせず、ステアリングからトラクション状況が伝わってくる。

マフラーは排気効率に有効な左出しタイプで開発中。もちろん車検対応なので安心して装着できる。

脱着可能なメンバーはリフトアップするとプロペラシャフトに干渉するので対策品を開発。
エンジン系もファインチューンによってスムーズ&パワフルさが増していて、とにかく扱いやすい。ノーマルのJB64には色々と不満を感じていたが、この仕様なら素直に欲しい! と思った。
SHOP’s VOICE
パーツも作業も一切手抜きはしません。コスト重視でパーツをケチったり、安価な粗悪品を使ったりなんてもってのほか。高性能なクルマを長く乗っていただけるよう、細かなところまで気を使って組み上げていきます。
TUNER’s VOICE 大嶋和也さん

試作とテスト走行を繰り返し、ようやく納得できるところまで仕上がってきました。ここからもう少し煮詰めて仕上げます。競技でも通用し街中での快適性もしっかりと備えています。またエンジンは軽いチューニングですがけっこう速くなってきました。
【装着パーツリスト】
★TIRE&WHEEL
ダンロップ グラントレック MT2 195R16(オープン)/ENON wheels スライスナイン BPSB、DP MBR(28,000円/本)
★SUSPENSION
ハイブリッジファースト スピードマイスター45 3リンクサスアームセット(237,000円)/ハイブリッジファースト FOXショックアブソーバーに変更(112,800円)/ショウワガレージ 大容量バンプ フロント(9,200円)/ハイブリッジファースト 8の字バンプキット(19,000円)/ハイブリッジファースト エスケープメンバー(20,000円)/ハイブリッジファースト オートレベライザー補正ステー(3,000円)
★ENGINE & POWER TRAIN
ハイブリッジファースト スーパーサクションキット(30,000円)/ハイブリッジファースト ウォーターブロックプレート(2,800円)/ハイブリッジファースト オイルキャッチタンク(18,000円)/ハイブリッジファースト NAGバルブ シュバーブフォース(30,000円)
ハイブリッジファースト 前置きインタークーラーキット ブローオフセット(価格未定)/ハイブリッジファースト ミニコン フルセット(50,000円)/ハイブリッジファースト スロットルコントローラー(19,000円)/ハイブリッジファースト オイルクーラーキット(138,000円)
★EXTERIOR
ハイブリッジファースト フロントバンパー タイプS(28,000円)/ハイブリッジファースト スキッドプレートアルミブラック(18,000円)
ハイブリッジファースト リアバンパー タイプS(33,000円)/ハイブリッジファースト 上記タイプSバンパーセット(77,000円)/ハイブリッジファースト スペアタイヤ移動ブラケット(16,000円)/ハイブリッジファースト 穴あけ不要ナンバー移動キット(12,800円)/ハイブリッジファースト 9㎜フェンダー(30,000円)/ハイブリッジファースト けん引フックレッド フロント右(9,800円)/ハイブリッジファースト けん引フックレッド フロント左(8,800円)/ハイブリッジファースト けん引フックレッド リアブラケットセット(8,800円)/ハイブリッジファースト LED フォグランプバルブ(14,000円)/ハイブリッジファースト LEDサイドウインカー(4,500円)/ハイブリッジファースト サイドシルガード強化タイプ(28,000円)/ハイブリッジファースト フェンダーシルガード ブラック(15,000円
★INTERIOR
ハイブリッジファースト Gスポーツシフトノブセット(7,800円)/ハイブリッジファースト Gスポーツトランスファーノブ(5,000円)/ハイブリッジファースト アルミペダルセット(6,800円)/ハイブリッジファースト アルミフットレスト(4,500円)/ハイブリッジファースト フロアマットセット(13,000円)/ハイブリッジファースト リアフロアマット3Pセット (13,000円)/ハイブリッジファースト ステアリングボス(11,000円)/ハイブリッジファースト シートレール(15,000円)
