旧規格全盛期を知る山中氏の
これが原点回帰だ!
「原点回帰」。これが今回の新型ジムニーを開発するにあたり、スズキが掲げたテーマだ。スクエアなデザインやオフロードを真剣に考えた車作りなど、その項目は多岐にわたる。ペニーレインの山中代表は、旧規格ジムニー全盛時代にトライアル競技で名を馳せた強者だ。特にJA11に関しては、全日本タイトルをゲットするなど思い入れが強い。そこに来て「原点回帰」なんていうテーマを振りかざされては黙っていられない。新型ジムニーで、JA11ばりの機動力とポテンシャルを持ったジムニーを作ってやろうということで開発がスタート。ホイールベースの長さから、選んだリフト量は3インチ。では、インプレッション開始だ。
キャスター補正をアーム本体で行い、ブッシュはカーボンを使用することでサスペンションに貢献。
最終試験品ということでブラック塗装だが、製品化されるときはカラーリングが施される。
自由長、長めのコイルにランチョというペニーレイン定番のスペックだ。
まず、オンロード。JA11よりかなり重くなっている車体を軽やかに扱える。応答性は早く、ステアリングもシャープ。それでいて乗り心地にハードさはない。これは、ピッチングとロールの量が絶妙なのだ。初期の柔らかいストロークを絶妙に作りつつ、コシを感じるセッティングで、クイックな操作フィールを作っている。旋回中の自由度も高くコーナリングが楽しい。
リアアームはJB23時代からかなり強固で、こちらもカーボンブッシュを使用。トラクションに貢献する。
最小限の補正作業は終了しているが、山中氏的にはまだまだチューニングの余地があるとのこと。
次にオフロード。流石にJA11と一緒とまでは言えないが、走行性能はかなり高く、ストローク量は現時点でトップクラス。ラフに扱ったときの収束が早く、姿勢が崩れにくい。ドライバーにゆとりを与えてくれる感じだ。わざと不安定な姿勢でブレーキを刻んでみたのだが、挙動が一瞬で収まる。それでいて、トラクション性能は高く、接地感がつかみやすい。この仕上がりで、「周辺パーツの完成が遅れているので、もっとよくなりますよ」とのこと。山中代表が完成! と言える新型にかなり興味津々だ。