ニッサン・インテリジェントモビリティ雪上試乗会2019
主力である「リーフ」「ノート」「セレナ」が搭載するニッサンの電動パワートレイン「e-POWER」の各種を冬の北海道で徹底テスト。会場ではニッサン最新テクノロジーである電動パワートレイン搭載車に加え、エクストレイルやジューク、スカイライン、フェアレディZ、GT-Rも雪上・氷上コースの試乗に供された。一般公道でも特設コースでも決して破綻することのない緻密な駆動制御技術とは?
電動パワートレインの緻密な制御は雪道に効く
積雪路や凍結路など低μ路でのドライビングというと4WDシステムの良否をとりあげることが多いが、いまの日産においてはEVおよびe-POWERの電動パワートレインの有効性も見逃せない。モーターの駆動力を1万分の1秒単位で緻密に制御することで、人間の感覚を超えた領域でのわずかな空転を防ぎ、滑りやすい路面でも駆動力を路面へ的確に伝達。特に意識しなくてもスリップロスの少ない運転でクルマを前に進めることができる。
この恩恵は混合交通の一般路でより実感する。凍結路では他車や歩行者に配慮した速度コントロールにかなり神経を使うが、緻密な駆動力制御に加え、ニッサン独自のeペダルはアクセルオフのみで安定した制動が可能なため、周囲に気を配りながら運転しなければならない状況での負担がぐっと減る。通常のドライ路面では、ペダルの踏み替えが減ってちょっと楽かな、という程度の認識だったeペダルだが、凍結路やμの安定しない氷雪ミックス路ではそのありがたみを痛感する。
一方でアクセルをある程度踏み込んで走れる特設コースでは、こうした電動モーター制御やeペダルの効果を感じながらも、車重が軽く慣性の小さいクルマのメリットを改めて実感することになった。モーター回生の抵抗による減速を活用するeペダルは、EVのリーフにおいては4輪ブレーキ制御も加わってより安定した制動を可能としているが、その恩恵を感じつつも、ノートe-POWERの軽快さが光った。駆動はモーターが100%担当しながら、アクセルを踏み込むと発電用エンジンの回転が高まるフィーリングも身体に馴染みやすかったのかもしれない。リーフの走行感覚に慣れていればよりメリットを甘受できたのだろうが、今回は軽量で動かしやすいノートe-POWERの特性がより好ましく感じられた。
クリーンでエコというだけでなく、雪道などの安定走行にも貢献する要素を秘めている「電動化」。その進化にも期待したい。
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