アルファロメオ

【国内試乗】疑ってゴメンなさい! 素直に頭を下げよう。アルファ初のSUV「ステルヴィオ」はディーゼルでもアルファでした!

痛快ディーゼル、参上!

アルファ初のSUV、ステルヴィオにディーゼルエンジン搭載モデルが新たにラインナップに加わった。持ち前の加速性能やスポーティなハンドリングを一切犠牲にすることなく、優れた環境性能と燃費性能を実現。乗れば自然と笑顔になる、まさに痛快SUVといえる一台だ!

ディーゼル搭載車は「2.2ターボ・ディーゼルQ4」のモノグレード。FRレイアウトを採るジュリア譲りのアーキテクチャーをベースに独自の4WDシステムを採用。

疑ってゴメンなさい! ディーゼルでもアルファだ

だってそうだろう? 12対1というステアリングギア比、50対50の前後重量配分、FRベースのAWD、アルミパネルにカーボン製ドライブシャフト、クラス最小のロール角──。そうした心くすぐる謳いもさることながら、実際に走らせたときの抜群にキレのいいハンドリングにSUVであることを疑いたくなるコーナリングパフォーマンス、だ。ステルヴィオの持つファンな走りのテイストとディーゼルエンジンというのが、どうにも上手く結びつかなかったのだ。今どきのディーゼルの出来映えが昔と違うことを知ってはいても、正直、ほとんど期待していなかった。アルファにはアルファらしくあって欲しい、という気持ちが先走っちゃったのである。

だから素直に頭を下げよう。ステルヴィオ2.2ターボ・ディーゼルQ4、走らせてみたら立派にアルファ・ロメオだったからだ。

4月6日から発売されるステルヴィオのディーゼルユニット搭載モデルは、結論から申し上げるなら、かなり好印象だった。搭載するエンジンはボア×ストロークがφ80.0×99.0mmの2142ccで、アルファのディーゼル初のアルミブロックを採用している。燃料供給はもちろんコモンレール式で、FCAグループお得意のマルチジェットII。とり立てて世界初を謳うような技術は資料に刻まれてはいないが、開発を牽引してきたパオロ・パロッティ氏によれば、“これまでに培ってきた様々な技術的要素をさらに突き詰めてバランスよく組み合わせたもの”だという。そう聞くと新鮮味に欠けるようだが、このエンジン、何とリッターあたり100psに迫る210ps/3500rpmの最高出力と470Nm/1750rpmの最大トルクという、かなり強力なアウトプットを発揮しているのだ。クラス最強のレベルである。

e-VGT(電子制御式バリアブル・ジオメトリー・ターボ)をはじめとする革新的なマネジメントシステムにより、低回転域からターボラグのないレスポンスと高いトルクを発揮。

エンジンを始動すると、当然ながらディーゼルの音だ。が、それもアイドリング付近だけ。しかもカラカラ音がほとんどなく、少しも耳障りに感じない。巡航時などではロードノイズの方が大きいかと思えるほど静かだが、回転を上げるに従ってディーゼルっぽさはさらに希薄になり、次第に野太く力強いサウンドへと変わっていく。

設えはガソリンモデルと同様。自動緊急ブレーキや車線逸脱時に警告を与えるレーンデパーチャーウォーニングなどの先進安全機能のほか、SUVには有難いブラインドスポットモニターが標準装備となる。

けれど回すとディーゼルらしさが薄らぐのはサウンドだけ。その性格はディーゼルターボそのもの、というかその長所を膨らませたかのようなものだった。何せ走りはじめた直後、わずか1250rpmで300Nm、1750rpmで470Nmという強大なトルクが得られるのだ。その底力が噴出するドーン! という加速力には思わずニヤリとさせられる。もちろんガソリンエンジンと違って鋭いのは3800rpmぐらいまでだが、8速ATが巧みにギアを繋いでくれて、なおかつターボラグも全く感じられないから、加速時のフィールは望外に伸びやかで、痛快といえるぐらいに気持ちいい。しかも手に入るスピードはだいぶ速い部類に入る。エンジンの自重が155kgと凄まじく軽く、異例なことにガソリンエンジンと10㎏しか変わらないから、ステルヴィオの最大の美点であるハンドリングのよさ、曲がる気持ちよさは全く損なわれていない。何から何まで、まさしくアルファ・ロメオのあるべき姿じゃないか……。

しかもシリーズで最も安価な617万円という価格設定だ。乗れば解る。これは相当に悩ましい。

アルファの走る楽しさは一切損なわれていません

アルファ・ロメオ エンジン開発部門 パオロ・パロッティ氏

「このディーゼルエンジンは、無理に新しい技術を投入しようとはせず、私達がこれまでに培ってきた様々な技術的な要素を磨き上げ、バランスよく組み合わせたもの、と考えていただいてよいでしょう。軽量化、燃焼能力、ターボ性能、アフタートリートメント……。他にもたくさんありますが、そうした技術をさらに追求することで、非常に効率のいいエンジンに仕上げることができました。ディーゼルですから、燃費はよく航続距離が長いのはもちろんですが、何よりも走りのパフォーマンスが優れています。私達はクルマを走らせる喜びを重視するユーザーのことを念頭において開発を進めてきたのです。アルファ・ロメオは楽しくなければ、と考えているファンの方たちにとっても……満足していただけるエンジンに仕上がっていると思います。

またディーゼルエンジンだけが持つダイナミックなテイストも堪能していただけるでしょう。エンジン重量を抑えることができていますので、ステルヴィオの長所であるハンドリングのよさには悪影響を及ばしていません。アルファ・ロメオのディーゼルエンジンは“スポーツディーゼル”なんです。そのフィーリング、楽しさをぜひ味わってみてください」。

specification

アルファ・ロメオ・ステルヴィオ2.2 ターボ・ディーゼルQ4
車両本体価格(税込)=6,170,000円
全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm
ホイールベース=2820mm
トレッド(前/後)=1610/1650mm
車両重量=1820kg
最小回転半径=6.0
乗車定員=5名
エンジン型式/種類=-/直4DOHC16V+ターボ
最高出力=210ps(154kW)/3500rpm
最大トルク=470Nm(47.9kg-m)/1750rpm
燃料タンク容量=64L(軽油)
燃費(10・15/WLTC)=-/16.0km/L
変速比=(1)5.000 (2)3.200 (3)2.143 (4)1.720 (5)1.314 (6)1.000 (7)0.822 (8)0.640 (R)3.456 (F)3.270
サスペンション形式=前:Wウィッシュボーン/コイル、後:マルチリンク/コイル
ブレーキ=前:Vディスク、後:Vディスク

タイヤ(ホイール)=前:235/60R18、後:235/60R18


【問い合わせ】
FCAジャパン 0120-779-159 https://www.alfaromeo-jp.com/

フォト:篠原晃一/ル・ボラン 2019年5月号より転載
嶋田智之

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