ベントレー

【海外試乗】「ベントレー・コンチネンタルGTコンバーチブル」紳士淑女のための4シーターオープンが3世代目へ進化

別格の荘厳さはそのままに軽快でさえある振る舞い

英国クルー工場でハンドビルドされる6L W12ツインターボ。635ps/900Nmもの圧倒的な動力を生み出す一方で、一定条件下で6気筒を休止する可変シリンダー機構を備える。

GTコンバーチブルに搭載されるエンジンはベンテイガやA8にも用いられる最新世代のW12気筒6L直噴ツインターボで、最高出力は635ps、最大トルクは900Nmに達する。組み合わせる8速DCTを介しての最高速は333km/h、0→100km/h加速は3.8秒と、その速さは世界最強のグランドツアラーに相応しいもの。4輪駆動はオンデマンド式となり、走行状況やドライブモードに応じて前輪側には3%から最大38%の範疇で駆動が配分される。加えてESPを活用したブレーキベクタリングシステムを用いるなど、先代同等のスタビリティを確保しながら回頭性はFRライクな味付けがなされている。
グループの電気プラットフォームを用いることで、内装の使い勝手やインフォテインメントの表示能力は大きく向上。そのぶん、ベントレーの独自性は容赦なく物量が投じられた作り込みに現れていた。相変わらず屋根を開けて直射日光を浴びることがためらわれるほど豪華なそれも、幌を上げておけば完璧な耐候性や遮音性のもと保護される。快適さにおいてクーペとの差は相変わらず無に等しい。

最高品質の自然素材と磨き込まれたメタルが織りなす、ベントレーならではの空間演出は基本的にクーペと共通。

シート内蔵式のネックウォーマーや、シート/ステアリング/アームレストヒーターなど、コンバーチブルならではの快適装備にも抜かりはない。

そしてこの世代で劇的な向上を果たした走りの質感や運動性能も、コンバーチブルでは損なわれることなく継承されている。新型のシャシーは600ps超の大パワーを手下に置き、低中速域での操舵フィールからワインディングのハンドリングに至るまで、濁りや危うさのようなものはまったく感じられない。別格の荘厳さはそのままに軽快でさえある振る舞いは、まさに新しいアーキテクチャーによってもたらされたものだろう。何ひとつ我慢することはない、いつでも最上の移動空間を供してくれる完璧なオープンGTという趣旨は、今回もしっかり守られている。

リポート:渡辺敏史/T.Watanabe フォト:ベントレーモーターズジャパン ル・ボラン2019年5月号より転載
CARSMEET web編集部

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