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英国EU脱退の影響が徐々に表面化

ホンダは欧州生産からの撤退を表明。日産、トヨタ、BMWの動きにも注目が集まる

ブレグジットと呼ばれる英国のEU離脱の期限が3月末に迫り、英国に生産拠点を置く自動車メーカーの対応が注目されている。日産自動車は主力モデルのキャシュカイとジュークは英国サンダーランド工場での生産を続ける一方で、次期エクストレイルは日本の九州工場で生産する計画を明らかにしている。
一方でホンダは世界生産計画の見直しと銘打って、英国での生産を2021年をメドに終了する計画を発表。シビック・ハッチバックやタイプRは日本仕様も英国スウィンドン工場で生産されており、ホンダの八郷社長はブレグジットとは関係ないと語っているものの、この時期での発表だけに全く関係ないと考えるのは無理だろう。ただ、2021年と2年も先のことであり、その間に欧州の経済状況がどう変わるか予測しにくい面もあり、今後の動きが注目されるところだ。
BMWもルーツを重んじてミニの生産を英国で続けてきたが、ここにきてEU域内へ生産拠点を移す考えを明らかにした。英国製だからこそのミニブランドという気もするが、EUとの合意なき離脱というハードランディングとなった場合の輸出入関税の発生、通関にともなう部品納入の遅れなどを考えると、生産拠点の変更も視野に入れておいたほうが得策という考えだろう。さらにトヨタ自動車も合意なき離脱となった場合は、英国生産の撤退も選択肢となり得ると明言し、大手自動車メーカーの英国離れの姿勢は一段と強まっている。
多くのグローバルメーカーが生産拠点を自国に加えて北米、中国へと展開するなかで、EU離脱により英国が取り残される恐れもあり、英国経済にとって痛手となる可能性は高い。メイ首相をはじめとする英国の政府首脳も危機感を隠さないが、3月末のギリギリの時期を迎えたとき英国とEUがどんな動きを見せるのか、という予想がつかないまま、さまざまな動きが進んでいる。
経済状況の先行きが不透明な欧州で、離脱する英国が最後に存在感を示すことができるのか!? あるいは衰退への第一歩となってしまうのか。そのときは刻一刻と迫っている。

田畑修

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