標準でオールシーズンタイヤを履くアメリカ車は、やはりウェットに強し
MASERATI QUATTROPORTE S
●制動距離52.5m(★★★☆)
元祖スポーツサルーンの異名を持つクアトロポルテは、前後異形サイズのタイヤを履く。フロントは8分山、リアは6分山とリアタイヤが減っていたのでウェットは心配だった。これでは満足な結果が得られないだろうと予測していた。実際のテストは時速100km/hでウェット路に進入し、ブレーキとステアリングを同時に操作。瞬間的にフロントタイヤがハイドロプレーンでハンドルが効かなくなる。そのためにアンダーステアとなるが、その直後に今度はリアが滑り始める。その後は4輪ドリフトしながら遠心力に負けて大きくアウト側まで軌跡は広がってしまった。タイヤの山があれば、もっと結果は良かったはずだ。
CADILLAC CT6
●制動距離49.3m(★★★★☆)
見た目はサマータイヤのように思えるが、米国ではウェット性能をとても重視する傾向にある。欧州や日本のように車外通過騒音や燃費規制がタイヤ性能を歪めていないので、安心して使える。しかもCT6は4WDなので、ウェットは自信があるはずだ。テスト結果は、ハイドロプレーンへの対応も上々で、重量級のクルマにしてはライントレース性能とストッピングパワーも満足できた。挙動は終始弱アンダーを維持し、徐々にライントレースから離れていくが、ストッピングパワーは大きいので短い距離で止まることができた。ABSのロバスト性も悪くない。クルマが曲がろうとする力と止まろうとする力のバランスが良かった。
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