
カー・マガジン編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する『100万円でドロ沼に陥る!? 』。今回は、当コーナーで紹介した中で最も新しい、フィード・フィエスタSTを取り上げる。正規インポーターが撤退し、改めて(欧州)フォードが気になる方はお見逃しなく!
フォード・フィエスタとは?
欧州フォードより投入されたBセグメント・ハッチバックがフィエスタで、国内導入当初は1.6リッター直4ユニットを搭載する5ドアモデルのみのラインナップであった。その後3ドアのホットモデル、STおよびSTコンペティションが導入された。
フォードとコラボイベントを開催していた矢先に日本撤退が決定し、恐らく国内の自動車雑誌界で最もショックを受けた本誌。とりわけフォーカスLOVEの編集長ナガオは、そのニュースに触れ思わずフォードのマスコットキャラFOMO君(ご存知?)に語り掛けて、あちらの世界に行ってしまった……。
閑話休題。そんな正規モノを購入できなくなったフォードだが、ユーズドカーマーケットを見渡せば気になる個体がちらほら。今回取り上げるのは、ラリー好きにはお馴染み『ストリートライフ』でストックされているフォード・フィエスタSTコンペティションだ。フォーカスST170、モンデオST220に続いてSTシリーズのトリを務めたのがフィエスタSTで、最もコンパクトな末っ子的存在。全長4mを切るボディに2リッター直4DOHCの”デュラテック”を積み、トランスミッションは5速M/Tとなる。撮影したテンサンラリーオーナーの山本カメラマンが、シフトが気持ちいいと太鼓判を押すほどショートストロークが小気味良い。個体差はあるが「テンサンなんてゆるゆる」と言っていたが、このフィエスタと同世代のライバルをプジョーでいえば206RCなのであしからず。

<伝統のセンターストライプ>ダイヤモンドホワイトのボディ色、またSTコンペティションの特長ともいえるデカールのコンディションも良好だ。GT40のようなブルーにホワイトのセンターストライプも良いが、その逆パターンもなかなか。

<これからが美味しい?>”DURATEC ST”の文字が目を引くエンジンルーム。モンデオと同じ2リッターDOHCユニットだが、こちらは5psアップの150psを誇る。ショートストロークの5速M/Tとの相性は抜群。
日常使いで楽しめるホットハッチを良好なコンディションで手に入れるチャンス!
<適度にスポーティで実用的>レザーとファブリックのコンビシートは、適度にサポートが立った日常使いにも適したデザイン。リアシートの居住性が高く、ファミリーカーとしてもオススメ出来る。
フィエスタSTコンペティションの特長と言えば、専用のデカールとSTよりも1インチ大きい17インチのタイヤ & ホイールを履くこと。見た目はド派手だが、インテリアは適度なスポーティさで、居住性が高く普段使いにもオススメといえる。リアもスペースは十分で、フロントシートの背面はえぐられたデザインでかつシート下につま先が入るため、5人はツラいが大人4人でも不満はないだろう。
<上々のコンディション>総走行距離2万2000km+αを物語るようにインテリアの状態は非常に良い。全長3920mmとコンパクトだがベーススモデルと同様に、ラゲッジスペースは十分確保されている。
ストリートライフには同年代のフィエスタSTがストックされていたがそちらは売約済。なんでも、国内導入最終モデルのフィエスタに乗っていたものの、マニュアルが欲しくなり乗り換えたのだとか。フォードが撤退したことで俄かに気になり始めたへそ曲がり、もといフォード好きはぜひチェックしておきたい。
<これでもかのST推し>STコンペティションではSTよりも1サイズ大きな17インチホイールが標準となる。新車時純正のピレリPゼロ・ネロはそろそろ寿命か。ルーフスポイラーはSTシリーズの標準装備。当時のJWRC参戦マシーンを彷彿とさせる”TEAM RS”のデカールが目を引く。いまはなき正規ディーラーのプレートも貴重だ。
2005 FORD FIESTA ST
車両本体価格:880,000円(税別)
ホットハッチ度:★★★★
実用度:★★★★
ドロ沼度:★★
ホットモデルのため、パーツが多数交換されていたりスポーツ走行で酷使された個体も見られるが、現車はオリジナルコンディションを保ち、大切に乗られていたことが伺える。走行2万2000km+αということで、内装の状態が良い点も見逃せない。
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