イベント

ランボルギーニの女性オンリーのイベント「FAB」とは?

女性の活躍を応援し、社会的地位向上を目指すプロジェクト

6月20日~21日の2日間、イタリアで女性だけが参加したランボルギーニのイベント、「Lamborghini FAB in Sant‘Agata Bolognese(ランボルギーニFAB in サンタアガタ ボロネーゼ)」が開催されました。この「FAB」はFemale Advisory Boardの略で、ランボルギーニ初の女性役員でCMOのカティア・バッシ氏が中心となり、各分野で活躍している女性を招待して行う意見交換会です。女性の活躍を応援し、社会的地位向上を目指すプロジェクトとして昨年から世界各国で行われていて、日本では東京・渋谷のデザイナーズホテルで開催されました。今回のイタリアでのイベントには世界9都市のメンバーの中から13名が招待され、日本からは2名が参加、その中の一人が私です。

1日目の前夜、実はウェルカム・アペリティフがありましたが、日本からの飛行機が遅れ、予定した乗り継ぎ便に乗れないというアクシデントのため、到着したのは深夜。というわけで、FABメンバーとはイベント当日の顔合わせとなりました。招待された女性たちは会社経営者や映画プロデューサー、証券会社の取締役などなど、仕事でも第一線で活躍している方ばかり。さらにインフルエンサーとして発信力もあり、美しく魅力的な女性で、そのパワーと輝きに、圧倒されてしまいます。

1日目は、ランボルギーニの本社工場にて「ランボルギーニFAB」のプログラムについての紹介から始まり、その後新型SUVであるウルスのプロダクションラインとミュージアム見学へ。ランチを挟んで、スーパースポーツ系の組み立てライン、デザインセンターなどの見学と、ランボルギーニの会社説明や工場についてのプレゼンテーションがひと通り行われました。

近年ランボルギーニの躍進は目覚ましく、9年連続で業績は右肩上がりし、販売台数は約5倍になっているといいます。しかも昨年は初のSUV「ウルス」が発売され、さらなるジャンプアップが期待されています。その「ウルス」を生産するにあたり、ボロネーゼの本社工場に4億ユーロもの投資をし、工場の敷地面積はこれまでの2倍となる16万平方メートルに拡大したとのこと。今年7月にはウルスの新しいオフィスもできるそうです。

そんな勢いに乗っているランボルギーニが注目したのが「女性パワー」。確かに女性はここ数年、国内外で表舞台に出て活躍する機会が増え、「女性を味方にする」ことは大きなビジネスチャンスに繋がります。そこに目を付けたのがバッシ氏で、彼女はランボルギーニに入社する前からこの企画を温めていたとのことでした。このプログラムは、まさに女性役員のバッシ氏だからこそ実現した企画でもあるんですね。

ランボルギーニと言えば、エンブレムに「猛牛」が使われていることもあって、スーパースポーツの中でも骨太感があるブランドです。そんなイメージとは裏腹!?に、一方で社内ではどんどん改革が進み、バッシ氏のほかにミュージアムの責任者も女性で、女性が活躍していることが意外でした。しかもバッシ氏の経歴が凄いのなんの! アストンマーティンの副社長兼ブランドのマネージング・ディレクターやフェラーリのライセンシングマネージャー、イタリアでF.C.インテルナッツィオナーレミラノのコマーシャルディレクターなどを歴任する超エリートビジネスウーマンなのです。

ディナー会場は何と工場のスーパースポーツ生産ライン!

そしてこの日、最も印象に残ったのはディナー! なにしろ日中に見学したスーパースポーツの生産ライン……、つまりアヴェンタドールの組み立てラインが会場だったんです。先ほどまで従業員の方々が作業していたところがお洒落なレストランに早替わり。聞いたところによると、ここでのディナーは今まで数回しか行われたことがないとのこと。ステファノ・ドメリカリ社長をはじめ、ランボルギーニの首脳陣が勢ぞろいでメンバーと会食をするのですから、このFABに賭けるランボルギーニの期待の大きさが伺えますね。。ラインが停止した工場内では、製造途中のクルマはすべてオブジェとなっていました。

日中の工場内は明るく、白で統一されて清潔感があり、天井の赤いラインがアクセントになってお洒落でした。打って変わって夜の部は、ロウソクと間接照明、テーブルなどの飾り付けによって、全く違う雰囲気になっていますが、こんなファクトリーディナーをビジネスにしたら人気が出そう。でもなにより、工場で食事できる清潔感にビックリです!

そして2日目のプログラムは、イモラ・サーキットで最新ランボルギーニ試乗。イモラ・サーキットといえば、マクラーレン・ホンダで3度のチャンピオンを獲得した人気F1ドライバーの故アイルトン・セナ選手が、レース中の事故によって死亡したことでも知られる有名な場所。私も行ってみたかった場所のひとつで、今回願いが叶いました。しかもランボルギーニで!

まずは試乗車の紹介。「ウラカンEVO」は、「ウラカン・ペルフォルマンテ」と同じ最高出力640ps 、最大トルク600Nmを発生するV型10気筒5.2Lエンジンを搭載し、0-100㎞/h加速は2.9秒のパフォーマンスを披露します。また、車両を総合的に制御する「LDVI」(ランボルギーニ・ダイナミカ・ビークル・インテグラータ)を新しく採用したこともトピックです。

一方フラッグシップモデルで、限定生産900台の「アヴェンタドールSVJ」は、770psのパワーとともに最新の可変空力デバイス「ALA2.0」を搭載するモデル。最後に「ウルス」は、ランボルギーニ初のターボエンジンとなる4L V8ツインターボに8速ATを組み合わせ、SUV最速級の305㎞/hという最高速度に、0-100㎞/h加速3.6秒という俊足ぶりが特徴です。

試乗前には、ヘルメットの被り方からサーキットの走り方の紹介ビデオが流れました。確かにFABメンバーの中にはランボルギーニのオーナーもいますが、ランボルギーニに乗ったことの無い人もいれば、サーキットを始めて走るという人もいるからという配慮ですね。まずは同乗走行でコースの下見をしました。

私は「ウラカンEVO」、「ウルス」、「アヴェンタドールSVJ」の順番で試乗しましたが、最初に乗った「ウラカンEVO」が手ごろなサイズでバランスが良く楽しく走れました。一方、「アヴェンタドールSVJ」はシートポジションが合わなかったり、車内無線のボリュームが大きすぎて試乗が終わることには頭がガンガン。正直、あまり楽しめませんでした。なので、リベンジしたい!(笑)というわけで、インストラクターの同乗走行でたっぷり確認。私には到底出しえないスピードで異次元の世界を味わわせていただきました。ちなみに「ウルス」は、良くも悪くも想定内です。

そしてこのサーキットプログラムの最後には、終了証をいただき、2日間の夢のような時間は終了。今回は丸ごとランボルギーニを楽しむ旅でした。ちなみに今後「ランボルギーニFAB」の活動は次のステップとして、30歳未満の女性をサポートする「フューチャーFABアワード」を開催し次の世代の女性たちも応援していく、とのこと。

今、ランボルギーニはまさに猛牛のごとく、”攻めて”いますよ!

 

吉田由美

AUTHOR

短大在学中に「チェッカーモータース」や「マツダ ミスエチュード」などのイメージガールを務め、短大卒業後、本格的にモデル活動を開始。「すべてシリーズ」やテレビ東京「GT選手権」のMCなど「日産ドライビングパーク」でセーフティドライビングインストラクターとして勤務後、2000年より、カーライフ・エッセイストとして活動を開始。TV、ラジオ、雑誌やWebなどのメディアはもちろん、ブログやSNSなどでも積極的に情報を発信中。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本ボート・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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