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創立100周年のベントレーが次世代GTのコンセプトカーを発表

ベントレーの考える“2035年のグランドツアラー”を体現

7月10日にちょうど創立100周年を迎えたベントレーは、未来に向けたラグジュアリーモビリティのビジョンを形にしたコンセプトカー「ベントレーEXP 100 GT」を英国クルー本社で発表した。

このコンセプトカーは、将来の自動運転に対応。ドライバーが自ら運転しても、運転をクルマに任せても、これまで以上に充実したグランドツーリングを実現するものとして開発。ベントレーの考える“2035年のグランドツアラー”の姿を体現している。

ベントレー・モーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは、このコンセプトカーの発表時に次のようなコメントを発表している。

「創立100周年を迎えた今日、私たちはベントレーEXP 100 GTでベントレー・ブランドの未来のビジョンを明確に打ち出しました。この考え抜かれた最新型のグランドツアラーは、ラグジュアリーカーの世界がこれまでの100年同様、今後も意欲と感動に溢れたものとなることを物語っています」

ドライブトレインは完全電気駆動。モーターは4つ搭載され、合計で1500Nmの最大トルクを発揮する。車重1900kgのボディを停止から2.5秒以下で100km/hに到達させ、300km/hの最高速をマークする。新システムの「次世代型トラクションドライブ」が採用され、トルクベクタリング機構によって、駆動力を50%上乗せしつつ質量を35%軽減。高出力モーターとの組み合わせによって、より効果的なコーナリングを実現する。その一方で、将来は従来の5倍のエネルギー密度が実現すると予想されたバッテリーの搭載によって、航続距離は最高で700km、15分で80%の充電が可能になると同社はみている。

軽量アルミニウムとカーボンファイバーを用いたボディの全長は5.8m、全幅は約2.4m。随所に散りばめられた美しいアイテムは銅やアルミニウムで製作されている。優雅で伸びやかなボディには幅2mのドアを採用。このドアは前方のヒンジを中心に上方に大きく開くことによって、キャビンにアクセスしやすくなっている。ちなみにこのドアを全開にすると高さは約3mになる。

外観はベントレーの目指すデザインの方向性が示されている。その一方で、丸目型のヘッドライトはかつて1929年にデビューした「ベントレー・ブロワー」の、優雅にスラントしたピラーからエンド部に至るリヤ回りは1950年代に登場した「Rタイプ・コンチネンタル」の面影を残すなど、ベントレーのDNAも息づいている。

インテリアは、同社の職人が誇るクラフトマンシップによって、かつてないほど丹念に仕上げられている。ウッドやレザー、ガラスといった最高級の天然素材が光と見事に調和し、乗員を物理的にも精神的にも満たす環境を作り上げている。

内外装にサスティナビリティを意識した革新的技術が用いられているのも特徴だ。銅を溶け込ませた5000年前の「リバーウッド」、「コンパス」と名付けられたボディカラーには、もみ殼をリサイクルした原料を採用。また、ワイン醸造過程から生まれたレザーのような手触りの生地は100%オーガニック。室内のカーペットは英国の牧場から生み出されたウール製、インテリアを彩る刺繍の入った生地はコットン製だ。

ガラス製のルーフにはプリズムが埋め込まれており、ルーフから差し込んだ光は、光ファイバーを通してキャビンに注がれる。この自然光と合成光により、乗員は乗り物酔いを軽減できるほか、移動中の充足感を引き上げる一助となる。

ルーフを含むすべてのガラスは自動調光式となっており、たとえば自動運転中はフロントスクリーンがエンタテイメントスクリーンに変わり、映画などが楽しめる。

コンソールでひと際異彩を放つのが「ベントレー・パーソナルアシスタント」のインターフェイスだ。英国で唯一のガラス工房カンブリアの作品で、イルミネーション付きの美しいカットが施されたクリスタルが用いられている。

ベントレー・パーソナルアシスタントは個人の走行データを収集し、ルートに関する情報や旅についての提案、周辺で利用できるラグジュアリーな施設などを紹介してくれる。さらに、動的な調節によって効率の良い走りや最大限のパフォーマンスに貢献する「アクティブエアロホイール」は、天候やドライバーの要求に応じて接地面を適応させる。

そしてベントレー・パーソナルアシスタントは、このモデルで体験する極上の旅をアシストするために「エンハンス」、「コクーン」、「キャプチャー」、「リ・リブ」、「カスタマイズ」の5つのモードを設定している。

「エンハンス」は明るさや音、匂い、大気の質などの情報が収集され、ガラスルーフに覆われていてもキャビン内をオープントップのような開放感で満たす。「コクーン」では空気清浄機能が働き、ガラスが不透明に切り替わってプライバシーが確保できる。「キャプチャー」は車内と車外の状況が記録される。「リ・リブ」は過去のグランドツアーのハイライトを再現でき、「カスタマイズ」ではドライバーやその他乗員の好みに合わせて各モードの要素を組み合わせることが可能だ。

さらにベントレー・パーソナルアシスタントは、「アダプタブル・バイオメトリック・シーティング」と呼ぶインテリジェントなシートの設定も司る。ドライバーが自ら運転するか、あるいは自動運転に任せるかなどに応じて、3通りの設定が可能。自動運転時はステアリングホイールが格納され、シート位置が後退。バイオメトリックセンサーによって温度や乗員位置、環境をモニターし、いつでもキャビンを最高の快適性で満たす。

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