10位以下の順位が大きく変動。フィアット500が復帰、ティグアンが上昇。
2017年、2018年と外国メーカー乗用車だけで2年連続30万台超えを果たした輸入車マーケットだが、2019年はややペースダウン。上半期(1-6月)は1.8%減の14万8556台と3年ぶりに15万台を切っている。そんな中で、輸入車の車名別ランキングも変動し、BMWミニの首位は揺るがなかったものの、メルセデス・ベンツCクラスが、その差1322台で2位にランクアップ。Cクラスが上半期2位に上がってきたのはフルモデルチェンジ効果で台数を増やした2015年以来4年ぶりで、2018年下半期を合わせると12カ月で2万1022台と2万台を超えている。2018年の大幅なマイナーチェンジがフルモデルチェンジに匹敵する効果を発揮したと見てもいだろう。
一方、フォルクスワーゲン・ゴルフは2018年下半期は1万台を切っていたが、この6カ月はなんとか1万台を超えた。モデル末期ゆえにゴルフトゥーランのディーゼルモデル以外に目玉がなく、すでに写真なども出回っているゴルフVIIIのデビュー待ちという感じだが、新型発売予定の来年はゴルフ人気が復活してくるのか、気になるところだ。
また、フォルクスワーゲンにとって気になるのがポロの台数減だろう。2018年のフルモデルチェンジ後の下半期は6000台を超えたが、2019年上半期は4820台まで減少。かつては半期だけで8000台以上売っていた人気モデルだけに、何らかのテコ入れを図りたいところだ。
新型となったBMW3シリーズももうちょっと勢いが欲しいところだが、登録が追いつかない面もあるようで、年後半に期待したいところ。5月に追加されたディーゼルに加え、ツーリング(ステーションワゴン)が加わる下半期は台数増が見込まれるが、クーペが4シリーズとなって分離したこともあり、クーペもすべてカウントされるCクラスの牙城に迫るのはちょっと難しいかもしれない。
相変わらず好調のボルボは、XC40が好調の40シリーズ、XC60もV60も同名でカウントされる60シリーズともにドイツ勢に迫る勢いを維持。ただ、6月に起きた車両運搬船の火災の影響が出る恐れもあり、下半期はバックオーダーをどこまで消化できるかが勝負となりそうだ。
そしてメルセデス・ベンツAクラスは新型車効果を存分に発揮して15位から7位へとジャンプアップ。下半期はボルボ40シリーズや3シリーズ、あるいはポロに迫ることになるのか、今後が楽しみだ。
順位の変動が激しかったのが10位以下で、前年同期の20位以下から4車がランクイン。フォルクスワーゲン・ティグアンは2018年8月のディーゼル追加に加え、今年1月の安全装備の充実などが功を奏したようで12位にランクイン。ニューカマーのBMW X2が13位に登場し、フィアット500とフォルクスワーゲン・ザ・ビートルも復帰。500は2018年上半期、下半期ともにランク外だったが、限定車の追加などが功を奏した。代わってジープ・ラングラー、フォルクスワーゲン・パサート、アウディQ2、メルセデス・ベンツCLAがランク外へ去ったが、下位は台数が接近する激戦が繰り広げられており、下半期も入れ替わりが出る可能性は高い。今年後半はどのブランドが台数増を果たすことになるのか!? 上位陣、下位陣ともに夏冬ボーナス戦線での頑張りも含め、輸入車マーケットの活性化が図られることを期待しよう。