上半期の欧州乗用車ランキングまとまる。小型SUVの人気が高まる。
EU(欧州連合)の国々とEFTA(スイス、ノルウェー、アイスランド)を合わせた欧州全体の新車販売はやや停滞気味で、2019年上半期(1-6月)の乗用車販売台数は前年同期比3.1%減の842万6190台とマイナスに終わる。国別では最多販売市場のドイツは0.5%増の微増ながら、2番目の英国、3番手のフランス、4番手のイタリア、5番手のスペインともにマイナスとやや厳しい状況。英国のEU離脱、米中経済摩擦の影響など、不透明な経済状況が反映していると思われる。
英国に本拠を置く国際的な自動車関連リサーチ会社であるJATOは欧州の車名別販売台数を毎月集計しているが、この上半期はその順位もやや大きく変動。乗用車ベスト20のランキングは別表の通りで、上位3強の順位は変わらなかったが、4位以下は台数差も縮まり、競争はより熾烈になっている。首位を守り続けるフォルクスワーゲン・ゴルフの強さは相変わらずながら、ポロとともに前年同期比はマイナスとなり、昨年から好調のルノー・クリオが2位に食い込んでいる。
一方でゴルフの対抗馬であり、昨年フルモデルチェンジを受けたCセグメント車のフォード・フォーカスは新型車効果で4位にランクアップ。ゴルフの牙城にはおよばないが、今年通年でもいいところまで上がってきそうだ。ルノー傘下にあるダチアのBセグメント車のサンデロ、小型クロスオーバーのダスターも好調で、シトロエンC3やトヨタ・ヤリスといったコンパクトカーも台数を増やしている。ちなみに20位ながら新型となったメルセデス・ベンツAクラスもプレミアムクラス車としては珍しくランクイン。どこまで上がってくるのか楽しみだ。
欧州でも人気のSUVは新顔のフォルクスワーゲンT-Rocがランクインし、上位常連だったニッサン・キャシュカイが大きく順位を落としている。フォルクスワーゲン・ティグアンも大きくランクダウンしており、一方でルノー・キャプチャーが踏みとどまっているところを見ると、SUVの主力は小型のBセグメントへ移行しつつあるようだ。
ちょっと台数が減っただけで大幅にランクダウンしてしまう厳しい世界だが、下半期はさらなる順位変動が起こるのか!? ウォッチしていく価値はありそうだ。