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新東名高速の全線開通が3年遅れに

年内から順次開通となるものの、秦野IC-御殿場IC間は2023年開通に

関東および東海のドライバーにとって、新東名高速道路(第2東名)の開通は画期的なことだった。トラックがあふれる東名高速に比べ、広くて見通しがよく、片側3車線の区間もある新東名は走りやすく、疲れも少ない長距離移動が可能な高速道路として歓迎されている。
現在も神奈川県-静岡県の一部区間は未開通で工事が進められているが、ここにきて当初2020年度と予定されていた全線開通が厳しくなり、中日本高速道路会社が延期を発表。伊勢原ジャンクション(JTC)からkm西側の伊勢原大山インターチェンジ(IC)間は2019年内の開通を予定する一方で、伊勢原大山IC-秦野IC間は2021年度開通、秦野IC-御殿場IC間は2023年度開通と2-3年の延期となることが分かった(御殿場IC-御殿場JCT間は予定通り2020年度開通予定)。

伊勢原IC-秦野IC-御殿場JCT間は関東地域の新東名のキモともいえる部分で、この区間の開通で東名高速の渋滞はかなり解消すると思われるが、中日本高速によるとこの区間の用地取得が難航し、さらに埋蔵文化財の発見、断層破砕帯の存在、急峻な地形による工事の難航などが立ちふさがっているという。
また埋蔵文化財に関しては東京ドーム約5個分(約26万平方m)の調査が必要となり、旧石器時代の遺跡が確認されたことで新しく深さ方向の調査も行わなければならず、かなりの時間を要することになりそうだ。
秦野IC-御殿場JCT間では断層破砕帯が想定以上に広範囲だったことで橋梁の土台位置の変更、設計の変更などを余儀なくされ、予想以上の時間が必要だという。
東名高速より地形が険しい北側を走る新東名だけに、この区間の工事の難易度の高さは織り込み済みだったと思われるが、ここにきてその予想を上回るさまざまな課題が出てきてしまい、ひとつひとつ対応している状況だ。
富士スピードウェイにほど近い小山PAやスマートICの供用開始も3年ほど先に延びてしまったことになるが、より安全で快適な高速道路の供用のためには致し方ない面もある。今後更なる工事期間の調整はあるかもしれないがまずは1年ほど先の部分開通を待つとしよう。

ル・ボラン2019年11月号より転載

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