“安全”に関する要求は国産と輸入車の垣根を超える
ボルボ・カー・ジャパンは11月5日(火)、東京港区のグランドハイアット東京を会場に、8年ぶりにフルモデルチェンジを遂げたミドルサルーン新型ボルボS60を発表。国内仕様モデルに用意する3種類のインテリアと搭載する4つのパワートレイン、多彩なカラーバリエーションの7台を展示した。
北欧ブランドらしいスタイリッシュなイメージ映像に続いてアンベールされた3世代目S60について、冒頭に登壇した同社の木村隆之代表取締役社長は、「ボルボ車のみならず国産セダンのユーザーも対象にリサーチをしたところ、現代のセダンに求められるのはクーペのようにカッコよくて飽きのこないスタイリングと後席も含めた4ドアならではの実用性、そしてSUVでは満たされないドライビングプレジャーだ」と述べ、全高を1,435mmの低く美しいシルエットや全幅を先代比マイナス15mmの1,850mmと日本の道路事情に最適なサイズに抑えるなど、ユーザーが求める要件を満たしていることを強調。
また、クルマの購入動機に「安全」が大きく占めることから、同モデルの衝突安全試験ではリアからの衝突速度を88km/h、オフセット70％に設定していることを映像で示し、ボルボの先進安全機能「インテリセーフ」を全グレードに標準装備するなど、安全に対するボルボの真摯な姿勢をアピール。セダン市場が低迷する昨今ではあるが、ボルボブランドが持つプレミアムで安全なイメージで、「国産ラージセダンからの買い換え層を狙う」とコメントした。
発表会当日から販売開始となる3世代目ボルボS60は、2リッターガソリン直4ターボに8速ATを組み合わせたFFモデル「S60 T4モメンタム(190ps/300Nm)」が489万円。同じガソリン・パワートレインの上位グレード、「S60 T5インスクプリクション(254ps/350Nm)」が614万円。2リッター直4ターボ＆スーパーチャージャーとリアに電気モーターを搭載したPHEVモデルは、「S60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション(253＋87ps/350＋240Nm)」が779万円、高性能コンプリートカーとなる「T8ポールスターエンジニアード(333＋87ps/430＋240Nm)」は919万円(30台限定)となる。
なお、この「S60 T8ポールスターエンジニアード」は、「電動化」と「ハイパフォーマンス」を前面に押し出した、新型S60のイメージリーダーである、内外装の専用装備に加え減衰力調整式オーリンズ製ダンパーと強化スプリング、ストラットタワーバー、ブレンボ製ブレーキや19インチ鍛造アルミホイールなどを装備。この「ポールスターエンジニアード」仕様は、今後V60とXC60にも設定されることになる。
また同発表会では、導入から3年弱で約4,000件の契約を獲得した、頭金なしでボルボ車を月々定額で利用できるリースプランを刷新し、｢SMAVO 2/3｣、｢SMAVO 3/5｣として、この新型S60から導入を開始することも発表した。
｢スマートにボルボに乗れる｣をコンセプトにしたサブスクリプションプランの「SMAVO」に導入するのは、3年契約2年しばりの｢SMAVO 2/3｣と5年契約3年しばりの「SMAVO 3/5」の2タイプとなり、3年後の残価を50％、5年後の残価を30％保証することで、魅力的な月額料金と代替時の残価リスクをなくしている。
具体的には、「SMAVO 2/3」は3年契約で2年経過時より20万円の精算金で代替が可能となり、期間満了時の代替であれば精算金は不要となる。もうひとつの「SMAVO 3/5」は、5年契約で初回車検時に20万円の清算金で代替が可能となり、それ以降の代替であれば、3年目の車検費用のみで精算金は不要である。
ボルボ・カー・ジャパン社長の木村氏によれば、ここ数年の間もボルボの先進安全機能は進化しているため、常に最新の状態でボルボに乗りたいコアなカスタマーは柔軟に乗り換えることができるようになるほか、ドラレコも標準設定したプロテクションパッケージも用意。税金や諸費用を含めた全国統一価格も実現しているとのことだ。
