燃費向上の施策が影響したCLS450、予想を超えたA7の実力が際立った
MERCEDES-BENZ CLS450 4MATIC SPORTS
制動距離:65.5m(★★★☆☆)
CLS450はラジアルタイヤを履き、残溝は6mm以上だったものの、ウェット性能はあまりよくなかった。ブレーキとステアリングを同時に操作すると、まずフロントタイヤがドリフトアウト気味になり、ストッピングパワーもあまり高くない。結果的には4輪ドリフトアウトとなり、ラインの外に向かって停止した。4輪のタイヤ荷重を測定すると、CLS450は右前と左後が重かったが、コーナーウェイトのアンバランスが影響を及ぼしたのかもしれない。最近、転がり抵抗を低くするタイヤが増え、ウェット性能が犠牲になっている傾向がある。ステアリングを先行させるテストでは、制動距離が少し長くなってしまった。
AUDI A7 SPORTBACK 1ST EDITION
制動距離51.3m(★★★★☆)
加速テストではCLS450に水を空けられたA7だが、ウェットの旋回ブレーキテストでは最高のパフォーマンスを発揮した。1.9トンもある重量級の巨体が短い距離でしっかりと止まり、しかも正確なライントレース性を示した。タイヤのウェット性能も申し分のないレベルで、とにかくステアリング操舵が正確にでき、操作にも忠実だ。2回目のテストではステアリングを先行させて低μ路特有の誤判定テストを行ったが、1回目とデータ的に大きな差はなく、そのロバスト性に問題は一切なかった。とにかくA7のABSは緻密に制御されており、タイヤのウェット性能は第一級の性能だと評価できる。
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