清水和夫のDST

スバル車の優秀さは揺るがず、タイヤ状態が影響したメガーヌRS【清水和夫のDST】#101-3/4

スバル車の優秀さは揺るがず、タイヤ状態が影響したメガーヌRS

SUBARU WRX STI TYPE S
●制動距離:48.0m(★★★★☆)

WRXが履くヨコハマ・アドバンスポーツV105の残溝は4輪とも6mmオーバーだったため、安心してウェット路面に進入できた。雨の高速道路ではこの1〜2mmの違いが命取りとなる場合がある。40Rに侵入し、1回目はステアリングとブレーキを同時に操作したが、その瞬間から十分なストッピングパワーが発生し、ステアリングも正確に機能する。ABSの制御がきめ細かいので、ライントレースは素晴らしい。1回目は43mとすごく短い距離で止まれた。2回目のロバストチェックではステアリングをやや先行してブレーキを踏むが、さすがのスバルもブレーキはやや減圧気味となった。それでも制動距離は53m。ここ10年、スバルはこのテストが完璧だ。

 

RENAULT MEGANE RS CUP
●制動距離:69.0m(★★★☆☆)

与えられたブリヂストンS001はスポーツタイヤのスタンダードだが、問題は溝が減っていたこと。フロントタイヤは左右とも4mm前後で、この磨り減ったタイヤの状態で水深2-3mmのウェット路に侵入するにはかなり勇気がいるが、案の定、旋回路に進入した瞬間にタイヤが水の上に乗ってしまうハイドロプレーニング現象が生じた。当然、ブレーキは効きにくいし、ステアリングを操舵してもドライバーの意思は尊重されない。2回目はいつもどおり、ステアリングをやや先行させたが。クルマ側が低μ路に進入したと誤判定し、リアブレーキは減圧気味となって、制動距離は想像以上(1回目は67m、2回目は74m)に伸びてしまった。

 

リポート=清水和夫/K.Shimizu フォト=篠原晃一/K.Shinohar ル・ボラン 2019年8月号より転載
CARSMEET web編集部

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