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日産が「定置型蓄電池」普及の実証実験を開始

日産リーフの中古バッテリーを活用。深刻な広域停電の救済策となるのか

今年9月に関東南部に深刻な被害をもたらした台風15号。その強風は千葉県の送電網を寸断し、広い地域が首都圏では考えられない長期間の停電被害に見舞われた。政府や東京電力の対応の遅さもさることながら、いわゆる広域送電システムの脆弱さが露見した面もあり、こんなとき「太陽光発電と自宅蓄電を可能とするシステムがあれば」と思った人も少なくないだろう。

日産自動車がここにきて実証実験を開始した日産リーフとリーフ用バッテリーの中古を活用したシステムは、CO2削減に貢献するのはもちろん、災害時の広域停電にも対応できる能力を持っている。セブンイレブンなども協力して行なうこの実証実験は、リーフと太陽光発電、中古バッテリーをリサイクルした定置型蓄電池を活用していくもので、今回は店舗用システムとして組まれているが、今後は家庭用として利用できる可能性も備えている。
さらに住宅用太陽光発電の買い取り制度終了で売れ先のなくなった電気を調達利用すれば、再生可能エネルギー比率100%も達成できる。
定置型蓄電池の導入費用などは明らかになっていないが、今後増えるであろうリーフの中古バッテリーをリサイクルしたものであれば、通常の40kWhの蓄電池より安くなる可能性もある。これを機に日産も一般住宅用の定置型蓄電池の商品化を進めてくれることを期待したい。

ル・ボラン2019年12月号より転載
田畑修

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