620psを発揮する3.9L V8ターボをフロントミッドに搭載
11月13日、フェラーリは新型V8FRモデルとなる「Roma(ローマ)」を、イタリア・ローマで開催したイベントで発表した。
この新型車のコンセプトは「La Nuova Dolce Vita」。直訳すれば「新たな甘い生活」となるが、フェラーリはこのモデルで時代を超えたエレガンスを最先端のテクノロジーを駆使して表現し、V8 2+クーペの新たな基準を打ち立てるのが狙い。独特のセンスとスタイルで、1950年代から60年代に(都市の)ローマを特徴付けた、呑気で楽しい生活様式を現代的に表現したのだという。
ボディサイズは全長4656×全幅1974×全高1301mmで、ホイールベースは2670mm。現行のV8FRオープンモデル「ポルトフィーノ」と比べて全長が70mm、全幅で36mm大きく、全高は17mm低い。
フロントミッドに搭載されるエンジンは、ポルトフィーノと基本を共有する3.9L V型8気筒ターボで、620ps/760Nmを発揮。このスペックはポルトフィーノ用ユニットのそれを20ps上回る(最大トルクは同じ)。組み合わせるトランスミッションは8速DCTで、これは先ごろ日本にも導入が発表された新型PHEVモデル「SF90ストラダーレ」に採用されたものだ。
このパワートレインを原動力に、乾燥重量1472kgのボディを停止から3.4秒で100km/hに、9.3秒で200km/hに到達させる加速性能が備わった。最高速は320km/hと発表された。ちなみにポルトフォーノの場合は0-100km/h加速タイムが3.5秒、最高速は同じである。
ボディサイズやエンジンスペックなどから、ローマはポルトフィーノのクーペ版と捉えることもできるがデザインはまったくの別物だ。デザインを手がけたのは、同社のスタイルセンター。同社の説明によるとクリーンで調和のとれたプロポーション、そしてピュアでエレガントなボリューム感をさまざまなエレメントの間で確実に共生させるというアプローチを採ったという。フォーマルなミニマリズムを強調するために、余分なディテールをすべて取り除いたとのこと。
一方、インテリアデザインもこのモデル独自のアプローチが見られる。センターコンソールでドライバーとパッセンジャーを隔てる「デュアルコックピット」のコンセプトを進化させたデザインが特徴だ。センターパネル上部に設置された縦型ディスプレイや、その下のシフトセレクターも目新しい。助手席側のインパネにディスプレイを設置するのは、これまでのフェラーリ車でも見られた手法だ。