失われた友人たち、偉大なるレーサー達の人生と死【新書紹介】

VERLORENE FREUNDE

M・アルボレートやA・セナ、S・ベロフやR・ピーターソン、遡ってはJ・リントやJ・クラーク、W・V・トリップスまで、事故で早逝したスタードライバー達19人を紹介した写真資料集。
セナが傷跡を残したタンブレロのコンクリートフェンス、スクラップと化したシュトメレンのポルシェ、猛火に包まれるロドリゲスのフェラーリ…痛ましいシーンに事欠かない本書ではあるが、ことさらそれらを強調する事もなく、彼らの人生で避けられない一場面として淡々と収めている。
各人10頁程の割り当ては彼らの半生を語るに充分でないが、レースへの姿勢やハイライトに触れるなど、人柄を偲ばせるもの。写真の中で憂い、笑顔を弾かせる姿は彼らの存在が今もなお息づいていることを感じさせるのに充分であり、たとえそれが短かろうとも、誰よりも眩く輝いた彼らの生涯にこそ触れてみたいと思わせられるだろう。

VERLORENE FREUNDE
4,752円 （税込）
Elmar Brummerc&Ferdi Kraling（著）
Delius Klashing Verlag
ハードカバー／Ｗ220×Ｈ285／カラー・モノクロ／145p／独語