清水和夫のDST

BMW 850iとレクサス LC500hの勝負はタイヤ性能だけでなく、制御系で勝敗が分かれた!【清水和夫のDST】#102-3/4

タイヤのウェット性能だけでなく、制御系のアレンジで勝敗が分かれた

 

LEXUS LC500h L PACKAGE

●制動距離:57.0m(★★★★☆)

LC500hにはミシュランパイロットスーパースポーツのランフラットタイヤ(オプション設定の21インチ)がセットされていたが、やはりスポーツタイヤの影響からか、ウェット路に侵入した瞬間にハイドロプレーニング現象が発生。そのままハードブレーキングし続けると、ハイドロはすぐに収まった。タイヤの残溝はM850iと同等レベルだったものの、結果的には10%程度、制動距離は伸びてしまった。いっぽうライントレース性は、タイヤのウェット性能というよりも、ステアリング系の問題なのか、アンダーステアが出てアウト側に膨らんだ。いずれにしても全体的には悪くなかったが、M850iには及ばなかった。

BMW 850i xDrive COUPE

●進入速度:99.25km/h(★★★★☆)


銘柄、サイズこそ異なるものの、同じミシュランのランフラットタイヤを履いていた2台だったが、M850iは新開発のシャシーに加えて、最新の電子制御デバイスのマネージメントが良いのか、制動力、ライントレース性ともに素晴らしかった。フロントタイヤのトレース性が高いため、アンダーステアが出にくく、パイロットスポーツ3のウェット性能が優れていることがリアルに理解できた。リアは多少リバースするが、この程度の緩いヨーモーメントではESCが介入することはなく、タイヤとサスペンションで安定性を保っている。ABSの制動力と旋回力のバランスが良い。それがリザルトにも明確に表れている。

フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2019年9月号より転載
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