洗練のパワートレインが質の高い走りを生み出す
プジョー・シトロエンは、ガソリンエンジンやハイブリッドよりもディーゼルエンジンを得意としている。
それでも近年はガソリンユニットをBMWから調達し、ポストディーゼルとなるパワープラントの開発に着手。2011年には独自技術で3008ハイブリッド4を発表した。当時フランスで開催された国際試乗会に参加したが、量産車初となるディーゼルハイブリッドで、メルセデスのSクラスよりも一足先に市場投入した。燃費に優れるディーゼルをハイブリッド化したのだから、パフォーマンスと燃費は良かったが、ディーゼル+モーターではコストが嵩み、Cセグメントには使いにくい一面も持っていた。
プジョー308 GT ライン・ブルーHDi/PEUGEOT 308 GT Line BlueHDi
そこでプジョーは2018年のパリ・サロンで、ガソリンエンジンを主力とした1モーターのPHV(プラグインハイブリッド)を公開、2019年秋から3008、508系への搭載を予定しており、パワーユニットの多様化にも意欲的に挑んでいる。
今回ピックアップした308は電動化されていないが、質実剛健なディーゼル車として、DSTではオールラウンドなパフォーマンスで存在感を示した。プジョーの強みはそのわかりやすい走り味だ。高速周回路では、インサイトと異なり、ステアリングのセンター付近の操舵フィールが素晴らしい。ホットハッチのDNAはしっかりと受け継がれ、ステアフィールにダイレクト感があり、クイックに操作すると重くなる。ただし横風を受けると挙動が不安定だった。