特集

クロカン4駆という泥臭いカテゴリーから新たな快適RVとしての空間作りを提案した新ジムニーとは【ジムニー天国2020】

低重心ロングストローク。走って楽しい、オンオフマシン

歴代のジムニー用サスペンションで、工藤自動車の製品は他とチューニングアプローチがちょっと違う。リフト量は50mmアップ。いわゆる2インチアップクラス。オリジナルのビルシュタインダンパーを装着。コイルスプリングはリフト量に対して自由長は長め。各種補正作業はバッチリ。さらにここからだ。フロントアームを純正より長くし、ストローク時のキャスター変化を調整。スタビの補正を細かく行い、オンオフ両方でデメリットがないようにセッティング。ダンパー容量の確保のために、単筒式のビルシュタインダンパーを採用するだけではなく、2インチリフトに3インチアップクラスの容量とストロークを設定。低重心、ロングストロークのオンオフマシンを創り出したのだ。事前情報からかなり期待できるのは確定だが、その分ハードル高めでインプレ開始だ。

あえてスタビ装着車とし、その上でオフ性能を高めるという工藤自動車流のチューニングが施されている。

まずオンロード。このセッティング、パッセンジャーのスポーツタイプからの乗り換えユーザーが好みそう。基本的に乗り味自体はソフトだが、初期入力から腰のある部分までが早い。スタビの効き具合が絶妙で、旋回性は抜群。荷重移動をしっかりと行うと、スポーツ車レベルで旋回する。ぐいぐいノーズが入る感じ。それでいてハードな印象は皆無。

新製品のJB64用ナックルパーツも近日販売予定。ダンパー的な効果が期待できる新たなパーツとなる。

縮み量を計算し補正量をセッティング。ビルシュタインダンパーのストロークも通常の2インチとはかなり違う。

次にオフロード。スタビ装着車なのでフロントのストロークは期待していなかったのだがびっくり。きちんとストロークして接地感がある。現状、スタビ装着車のなかでもっともストロークが多い。若干、ストローク初期で反発を感じるが、ストロークフィールはしなやか。キャンバー耐性が強く、安定感が高い。際どいライン取りでもアクセルが踏める。

レスポンスを重視し、各種パイピングとオープンタイプのエアクリーナーに交換済み。

ミニコンはレギュラー仕様とハイオク仕様で設定が変更可能。新しいアーシングシステムもJB64ならではだ。

eチューンのおかげで、電スロのレスポンスが良いのも好印象で、ミニコンでのパワーも申し分ない。バランスの取れたJB64と言える。

eチューンの代表的なパーツとしてアイスフューズがある。NA領域のトルクアップや電スロのレスポンス向上など、メリットだらけだ。

テストドライバー:那須一博 ジムニー天国2020より転載
CARSMEET web編集部

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