低重心ロングストローク。走って楽しい、オンオフマシン
歴代のジムニー用サスペンションで、工藤自動車の製品は他とチューニングアプローチがちょっと違う。リフト量は50mmアップ。いわゆる2インチアップクラス。オリジナルのビルシュタインダンパーを装着。コイルスプリングはリフト量に対して自由長は長め。各種補正作業はバッチリ。さらにここからだ。フロントアームを純正より長くし、ストローク時のキャスター変化を調整。スタビの補正を細かく行い、オンオフ両方でデメリットがないようにセッティング。ダンパー容量の確保のために、単筒式のビルシュタインダンパーを採用するだけではなく、2インチリフトに3インチアップクラスの容量とストロークを設定。低重心、ロングストロークのオンオフマシンを創り出したのだ。事前情報からかなり期待できるのは確定だが、その分ハードル高めでインプレ開始だ。
まずオンロード。このセッティング、パッセンジャーのスポーツタイプからの乗り換えユーザーが好みそう。基本的に乗り味自体はソフトだが、初期入力から腰のある部分までが早い。スタビの効き具合が絶妙で、旋回性は抜群。荷重移動をしっかりと行うと、スポーツ車レベルで旋回する。ぐいぐいノーズが入る感じ。それでいてハードな印象は皆無。
次にオフロード。スタビ装着車なのでフロントのストロークは期待していなかったのだがびっくり。きちんとストロークして接地感がある。現状、スタビ装着車のなかでもっともストロークが多い。若干、ストローク初期で反発を感じるが、ストロークフィールはしなやか。キャンバー耐性が強く、安定感が高い。際どいライン取りでもアクセルが踏める。
eチューンのおかげで、電スロのレスポンスが良いのも好印象で、ミニコンでのパワーも申し分ない。バランスの取れたJB64と言える。