特集

ジムニーのサス&エンジンをチューニング、スポーツマインドを強く刺激する無骨ジムニー【ジムニー天国2020】

無骨なイメージを強調するカスタマイズ&チューニング

かさ上げされたボディに大径サイズのマッドタイヤ、ビードロック調ホイール、そしてスチール製バンパーが「クロスカントリー仕様」を演出。スポーティー仕様が多かった先代のJB23とは一転、原点回帰とも言われるスクエアなボディデザインのJB64には、やはり無骨なイメージを強調するカスタマイズ&チューニングがお似合いだ。

これを手掛けたのはトライフォースカンパニー。「スイフト」や「コペン」などのサーキット競技で全国にその名を響かす名チューナーである。

ハイブリッドバンパー。スキッド性を持つブラケットはスチール製、メインバンパーは軽量アルミを採用。

サスペンションに関しては次ページで述べるとして、まず注目したいのはエンジンの吸気系チューニングメニューだ。R06Aエンジンに関しては、すでにアルトやハスラーでさまざまなノウハウを培っている。それを生かして「インテークキットK&N」、「ブローオフバルブアダプター付きスーパーファンネルスロットルチャンバー」、「インテークパイプセット」、「ブローオフバルブリターンキットHKS/SQV用」、「スーパーシーケンシャルブローオフバルブSQV Ⅳ」などのオリジナルパーツを駆使してファインチューン。

サスペンションはG-effectコイル2.50をベースとした、競技スペックを誇るコンプリートキットを装着。

リアコイルスプリングは不等ピッチでバネレートは4.1kg/mmの設定。路面に強いトラクションを掛ける。

コンピューターによる複雑な制御などなんのその。アクセルを踏み込むとスピーディにレスポンスして鋭い加速を発揮する。ノーマルとの差は歴然としており、誰もが感動するであろう。ついアクセルを踏み込みたくなるパフォーマンスを秘めている。

JB23の時に同社が新開発して爆発的にヒットしたスロットルチャンバーなどで吸気系を徹底強化。

オフロードを本気で攻めるならデフガードはぜひとも装着したいアイテムのひとつだ。

また同店は、JB23のコンピューター書き換えチューンをいち早く展開した実績を持つので、JB64に関しても期待せざるを得ない。もしそれが実現したら、さらに大幅なパワー&トルクアップが可能。まだ未定のことだが、今から楽しみだ!

タイヤはジオランダーM/T G003、ホイールはワーク クラッグT-GRABIC IIを装着。オフロードテイスト満載だ。

リアストロークは4インチアップに匹敵! 強烈なトラクションで前へと突き進む

JB23とJB64はともに3リンク式コイルリジッドサスペンションを採用するが、車両重量、そして前後の重量配分が異なっている。机上の数値だけでは対処できないので、森泉氏はどノーマルのままトライアル競技に参戦するなど徹底的に走り込んだという。そして完成したのが2.5インチアップ仕様、バネレート違いで2タイプを用意する。

ショックアブソーバーは減衰力固定式だがコイルとベストマッチ。全ステージで優れた走りを披露する。

試乗車はフロント2.6kg/mm、リア4.1kg/mmというハードタイプだった。リアの4.1kg/mmは、おそらくアフターマーケットでもっとも高い数値だろう。しかし、ドライブしてみると固さはまったく感じない。とてもマイルドだ。タイヤを路面に押しつけている感が強く、トラクションは実に良好。オンロードでギャップを踏んでも何事もなかったかのようにいなすのだ。

バンプストッパーを延長&ソフトタイプに変更。バンプタッチ時の衝撃を緩和してトラブルを防止する。

コーナリングでも不快なロールとは無縁で、狙ったラインをトレースするからついついスピードを上げたくなってしまう。ある意味ヤバいサスペンションだ。

リアコイルは不等ピッチを採用し、2.5インチアップながらも4インチアップに匹敵するストロークを実現。

オフロードはロックステージに挑戦。タイヤの空気圧を標準にしたままなのでツライかな? と思ったが、しっかりと岩をグリップしてジワジワと前進し続ける。大きな岩で進まなくなってもアクセルを軽く踏み込むと再び上り続け、余裕で走り抜けた。途中で「ここは浮くだろう!」と思った箇所もリアタイヤは路面に接していたのには驚かされた。

減衰力14段階調整式ショックアブソーバーを間もなくリリース。どのような走りをするか楽しみだ。

聞けば2.5インチアップ仕様だが、ストローク量はフロントが3.5インチ、リアが4インチレベルだという。また、フレックスアームにより捻れ性能が高まっているのも優れた走破力の大きな要因となっている。

ステアリングダンパーを強化タイプに変更。大径タイヤやリフトアップによるフラつきを抑える。

森泉氏が「自信作です」と言うだけにさすがの完成度を見せるのだ。

フレキシブルな捻れを実現するオリジナルのG-effectフレックスアーム。前後に装着して優れた走行性能を発揮。

MAKER’s VOICE

弊社のパーツはデータに基づいて一つひとつ作り込んでいます。それによって生み出すアクセルレスポンスとトラクションが、乗る度に新たな感動を得られるチューニングと信じて開発しています。目指したのは「意のままに操る楽しみ」です。

TUNER’s VOICE 森泉謙夫さん

スーパーファンネルスロットルチャンバーを中心とした吸気系チューニングによるハイレスポンス、サスキットがもたらす高速走行、ワインディング、ストリートからオフロードまで優れたトラクションを体感して下さい。

【装着パーツリスト】
★SUSPENSION
トライフォース サスペンションコンプリートキット(トライフォース フレックスダンパーF/R、トライフォース コイル2.50(F2.6K/R4.1K)、トライフォース 調整式ラテラルロッドF/R、トライフォース フレックスアームF/R、トライフォース ステンメッシュブレーキライン3インチ対応、トライフォース スタビライザーセッティングブラケット、トライフォース ヘッドライトレベリングアジャスター)(283,500円/セット)/トライフォース 強化ステアリングダンパー(19,000円)
★ENGINE & POWER TRAIN
トライフォース インテークキットK&N(39,000円)/トライフォース ブローオフバルブアダプター付きスーパーファンネルスロットルチャンバー(48,000円)/トライフォース インテークパイプセット(28,000円)/トライフォース ブローオフバルブリターンキットHKS/SQV用(8,800円)/HKS スーパーシーケンシャルブローオフバルブSQV IV(22,000円)
★EXTERIOR
トライフォース フロントハイブリッドバンパー プッシュVR. (65,000円)/トライフォース フロントハイブリッドバンパー用スキッドプレートT4(14,000円)/トライフォース 競技用フロントデフガード(試作品)
【問い合わせ】トライフォースカンパニー 0267-31-0751 http://www.tryforce.jp/
 
テストドライバー:内田 靖 ジムニー天国2020より転載
LE VOLANT web編集部

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